フォーラム - neorail.jp R16
発行:2015/7/13
更新:2017/12/7

[3078]

【淵野辺駅】ATOSへの切り換えに支障か


信号機かく語りき

(約3000字)

 ツイッターやツイッター、それにYouTubeなどで『既報』(異論はありましょうが、それでも「報じる」ということは広く開かれております:あなたがツイッターで「報じ」ても「報じた」ということになるのです=責任重大ですよ、の意)の通りでございますが、いま淵野辺に注目が集まっております。(1人でも注目していれば注目されているといえます。)

・淵野辺駅の構内配線(1965年)
 http://1st.geocities.jp/jr15yokohamasen/fuhe/index.html

・淵野辺駅の構内配線(2011年)
 http://1st.geocities.jp/jr11yokohamasen/point/

・ATOS導入直前の現況(2014年1月)
 https://youtu.be/r_pGEwGC0L4?t=50m20s




※映像の51:20あたり。

 かつて淵野辺には「専用線」があり、かなり最近(2011年ごろ)まで、CTC上で廃止する(CTCの改修が必要となる:ATOSの導入を間近に控えながら既存のCTCへの追加投資が必要になる≒ムダ・「手戻り」になる)のを避けてか、本線上にポイント(わたり線)が残されていたようです。2014年1月までには、ポイントの撤去が行なわれて(当該の箇所だけ枕木やバラストがキレイです)いますが、CTCの上ではポイントがあることになったまま、淵野辺駅のCTC駅装置としてはダミーのI/Fでもつけてあったのではないか、などと想像できます。(あくまで想像です。)なお、淵野辺駅の下り出発信号機だったとみられる信号機は、2014年1月の映像では「第7閉そく」の閉そく信号機になっていることがわかります。

 映像では、淵野辺の下り列車の停止位置の直後に「工事中継」の信号が見え(映像の51:34:駅停車中は205系ならではの=いまとなっては懐かしい前面窓の桟で隠れて見えませんです)、その先「第6閉そく」の信号機は点灯が見えづらく見え(映像ではよくわかりません:撮影機材や前面の窓ガラスの影響かもしれませんが)、2014年1月の段階でも、まだ何か信号設備の工事中であったことがうかがわれます。このあたりの事情から、何かデータや配線などで、見落としなどがあったのかもしれませんが、特にニュースにならない限りは、安全上の懸念はなかったのだということになります。(あったら困りますが、まずないでしょう、たぶん。そして、限りなく「ない」ようにするため、ほかの駅とは工程を変えてある=それだけ慎重にあたっている、ということなのではないでしょうか。あくまで推測です。)

・たたいて探す桟そして鴨居
 http://www.haseko.co.jp/hyakka/sumikonasu/04.html

・中山の窓
 http://www.nkym.co.jp/category/colddistrict/#window

・成瀬の机…ならぬ椅子
 http://architecturephoto.net/21897/


●信号機かく語りき

 余談ですが、信号機の状況を見ると、ああ、これでは横浜線で快速が「本気出す」のは無理だなぁ、と実感されましょう。極端には京王線での先行列車との間隔(の詰まり度合い:いつの時代の馬車ですか的な何か)と見比べると一目瞭然ですが、そういう詰め込みが横浜線では信号設備上、できません。快速運転というのは、単に「最高速度」や「平均速度」、それに「表定速度」を、快速電車だけが引き上げればいいというものではなく、緩急接続するならその前後の区間では、かなり詰まってでも運転できる、そのため閉そくをたいへん細かく区切る必要があります。

 ラッシュ時のうち数分間だけ、いわば「最大瞬間風速」のようなものですが、総武快速の稲毛では15両編成の上り快速が2〜3分間隔で発着します。このため(まさに、このためだけにあるといえますが)、ホームの途中にも場内信号機があり、また、3灯式ではなく4灯式や5灯式を駆使して、細かく現示ができる(=間隔を詰めることができる)ようにされています。

・げんぞ〜さん
 http://park2.wakwak.com/~genzo/takasakisen/structure/signal.html

 > 信号機の間隔が短いところなど、3灯式信号機では減速が間に合わない場所では、4〜5灯式信号機が使われます。後続の列車は、信号の指示にしたがってスピードを落としつつ、停止信号(赤信号)の手前まで進入することができます。

 いま絶妙に、ものごとの順序が逆ではないかと思いますが、列車間隔を詰めつつ、可能な限り現示は高く(きつい速度制限を受けにくく)するため、4〜5灯式を用いながら信号機の間隔を短くするという、たいへん能動的な施策なんだと思います、たぶん。(そうでなければ、極端には、漫然と3灯式信号機を駅の前後だけに設ければ済むのです…いえ、これはあくまで例えです。)

[2971]
 > ホームの中間にも信号機が増設されており、おお、これは本気だな、と思わせられます。

 上野東京ラインの東京でも、同様の場内信号機の増設が見られましたので、ああ、そのうち「本気出す」んだなぁ([2971])と見ているわけです。信号は雄弁です。

 他方、これからATACSもしくはCBTCだという過渡期に入りつつある中、いまから信号機の増設などを行なうということは、ATACSの導入までにかなり時間がないと(減価償却上など)もったいない、ということになりましょう。上野東京ライン(東海道線や宇都宮線など)でATS-PからATACSへ移行するのは、かなり先(あまねくATACS化を進める「30年」の、かなり後ろのほう)ということなのかな、と推測されます。

 横浜線では、どういうスケジュールになるのでしょうか。いずれにしても、車両は更新されたとはいえ、速度、特に表定速度の向上や快速運転の強化(上位種別の導入など含み、またこれに限りません)、すなわち増発(各駅停車を減らさず、の意)にあたっては、信号設備の改修が必須といえます。このとき、いまなら(いまからなら)迷わずATACSを待つ、と判断されるのではないかと(誰もが)想像できましょう。

 それなりに長く、一種「おあずけ」となることが予想されます。もどかしいですね。そして、大事なことは、(営業的に)「東京メガループ」([2910],[3058])といって、その実、いくら「お客さまの声」があろうとも、信号設備を更新していくスケジュールは、もっと「上」で(経営的に)決めることであって、支社以下の「現場」で「解決」できる話ではありません。それにもかかわらず、要望が多ければ要望に「お応え」して、列車が増発されたり上位種別が導入されたり(ただちに)するかのような、一種「夢」を見させるということは、まったく「素直」でも「正直」でもないと感じます([2938]も参照)。そんなことでいいんでしょうか。


この記事のURL https://neorail.jp/forum/3078/


この記事を参照している記事


[3199]

【横浜線】東神奈川−町田間で先行導入の計画だったか

2016/3/19

[3293]

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2016/7/7


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