・ETCSを読み解くためにGSMそしてMSKを読み解いた結果、デジタルATCが読み解かれるはなし ・「次世代ATOS」の先へ。
(約11000字)
京葉線に関してツイッターの界隈がにぎわっているようです。
※そして、ごめんなさい、京葉線のことはほとんど知らないんです。(そのことが、このサイトに如実に表れているかと思います。恐縮です。)勉強が間に合わないうちに工事が始まるとは、と悔やまれます。(私が勝手に悔やんでいます、の意。)
・ツイッター(2015年10月28日)
https://twitter.com/halpal02_mof28/status/659170556793647104
> ・千葉みなとに関してはまだ光接続箱の設置は未完了。枠はできてます。
> ・蘇我方運転士用出発時機表示器の設置は今のところなし。
> ・放送、発車標は全駅まだPRC。
> 横浜線と同様、一部装置の設置数削減有か
これも、ごめんなさい、「一部装置の設置数削減か」と予想した(2015年1月6日[3001])ものの、横浜線ではこれまで通り、律儀に出発時機表示器が設置されたようであります(2015年5月29日[3054])。青梅線はどうなるのか注目したくありますが、それより先に京葉線、ということなんでしょうか…。
・ツイッター(2015年10月27日 PST)
https://twitter.com/yurei123/status/659017837281955840
> 海浜幕張でATOS放送が使用された
> という風の便りを受けた
おお、これはすばらしい風の便りですね、わかります。
埼京線とも武蔵野線とも違って、京葉線は京葉線だというような、そういうひとつの…いえ、京葉線はもともとひとつ(広くはりんかい線も含めてひとつ[2913])ですが、一種「ローカルな事情」で「しかるべき工程表」が描かれた、と見受けられます。
・0. 貨物開業(ATS)
・1. 旅客開業(初のATS-P、PRC)
・2. PRCの更新(2004年10月)
・3. 連動駅のネットワーク信号制御システム
・4. 駅中間のネットワーク信号制御システム
・5. りんかい線直通列車の新設?(さざなみ後継列車?[3005])
・6. PRCからATOSへの移行
・7. ATACSの首都圏全域展開([3103])
・8. ホームドア
・9. 複々線化?
南船橋の配線変更(緩急接続を可能とする)が2のタイミングで行なわれたらよかったのに、と思われてならないのですが、そのようにはされなかった、その背景には、「次に信号をいじる機会まで、現行の設備で需要に応えられる」と判断されたということだと読み解かれます。
・(個人のブログ)南船橋駅の線路(2015年4月5日)
http://blogs.yahoo.co.jp/pbtyw727/19922470.html
http://blogs.yahoo.co.jp/pbtyw727/GALLERY/show_image.html?id=19922470&no=2
先にうしろ(工程表の上でうしろ)に着目しますと、JR貨物もコミコミでのATACSの展開が「2018年以降」(電波の割り当て[3103])に控えているとみられます。「無線式ATC」([3117])にもびっくりさせられますが、いえいえ、「あたらしいATS-P」([3105])ともなんとも、ハードウェアのかなりの部分がソフトウェア化([2984])するにつれ、かなり柔軟になってきているように見受けられることをこれまで順にまとめてきました(いえ、まとめながら初めて知ったことばかりで恐縮です)。
そのうちATACSだというのにネットワーク信号制御システム(特に駅中間)だといって、素朴には混乱される(いえ、私が混乱したんです)ところですが、いえいえいえ、ATACSだって地上子が要る、そのための伝送手段が要る(将来的にATACSの地上子が無線式になるのかどうかはよくわからず、の意)、そもそも無線局(地上局)を沿線に配置するにもバックボーン回線が要る(※※後述)、そのときにネットワーク信号制御システムの回線なりスイッチ(ただしハブ)なりをほとんどそのまま使えるような見通しがあるのだろう、と素朴に想像されます。(あくまで想像ですが、このように想像すれば納得がいくというものです。)
したがって、このような大きな流れの上ではたいへん小さなこと(過渡期における一点だけを見るような狭さがある、の意)ではありますが、京葉線へのATOSの導入にあっては、既設の「駅中間の従来の機器箱等+CTC+PRC」とは独立して「駅中間のネットワーク信号制御システム+ATOS」が構築される(されている)ということではないかとみられます。
※本件における連動装置のレイヤーについては理解が至りません。
●ETCSを読み解くためにGSMそしてMSKを読み解いた結果、デジタルATCが読み解かれるはなし
・[2730]
> 2005年6月5日の日経新聞の記事が紹介されています。
> > 「技術的にはいつでも実用化できる」(開発担当者談)ところまできており、いずれ首都圏などで導入することを検討中ということです。
> EU域内では、ATACSに相当する(?)保安装置「ETCS」を作り、EU域内で共通の装置として整備を進めようとしているそうです。
http://web.archive.org/web/20060825042049/http://www.specialprovidence.net/diary/?date=20060518
※リンク切れのためInternet Archiveに再リンクしておきます。
> 実質的に同じようなものができあがるのであれば、細部を統一するなり実情に応じたパラメータの設定を許すなりしつつ国際規格になれば…ということも思ったりします。
誰もがそう思うわけでありまして、そうして国際規格にしようという機運が高まり、直接には線路がつながっていない国としても、「参加してコミット」([3103])が目指されてくるわけです。
・ウィキペディア「ETCS」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ETCS
> ETCS Level2
> 地車間通信にデジタル無線を利用した方式でETCS Level1の上位互換システムである。日本のデジタルATCに相当する。デジタルATCではレール伝送により通信を行うが、ETCS Level2では地上の無線基地局(RBC:Radio Block Center)と車載アンテナの間でGSM-Rと呼ばれるGSMを鉄道用に改良したデジタル無線によって行う。
※「RBC」について最後述。
この記事が書かれた時点で「無線式ATC」などとは言われていなかったわけですが、いまなら、それって「無線式ATC」のことですよね、といって、話が早いです。(AGTではあったかもしれません。)
※先日、使用開始になった、そしてJR車の試運転の話題もにぎやかなりし小田急の「D-ATS-P」も、なかなかのものです。車両側のトランスポンダが東京メトロのATCと共用だとか。うーん、ATSとATCって、もはや「ちょっとしたコーデックの違い」くらいしかないようなものだと思っていいんでしょうか。(別途まとめます。)
厳密には、ここで「日本のデジタルATC」を引き合いに出してよいのかどうかは、ETCS Level2の要件が「無線であること」にフォーカスしているのか、通信の規格(GSM)にフォーカスしているのかによって決まります。とはいえ、無線なのでGSMを使うんだという話でもあり、じゃあ有線(軌道回路)でGSMっぽい信号を流していたらどうなんだ、という難しさが紛れ込んでくるわけですね、わかります! …たぶん。
・ウィキペディア「GSM」
https://ja.wikipedia.org/wiki/GSM
・ウィキペディア「移動体通信」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%BB%E5%8B%95%E4%BD%93%E9%80%9A%E4%BF%A1
詳細な理解に至りませんが、通信の効率化のための多重化の方式(といいますか、初めて本格的に多重化を行なった方式といったほうがよいのでしょうか)が、GSMの規格をGSMとして特徴づけている(GSMの規格には周波数なども定められるわけですが、GSMがGSMらしいのはそこではなく、の意)、と仮に理解されました。本当でしょうか。そして、なんと、いまなら「特許切れ」でおトクで便利、とのことです。
GSMの規格では、変調方式に「GMSK」を使うと書かれています。
・「GMSK変調方式」発見と発明のデジタル博物館
http://dbnst.nii.ac.jp/junior/detail/568
> 少し専門的になりますが(以下、略)
> この研究では、チャンネルの周波数帯域をMSKよりもっと狭くするような変調方式が開発されました。それが「GMSK」 (Gaussian filtered MSK)といわれる変調方式です。
> この研究で開発されたGMSKは移動体通信や衛星通信など広い分野で利用されていくはずです。この研究に取り組んだ室田和昭さんと平出賢吉さん(当時日本電信電話公社)に1983年、電子情報通信学会(旧称:電子通信学会)から論文賞が贈られました。
狭いエリアに高層ビルがひしめき大勢の人や車が行き交う東京で、(移動体通信としては「自動車電話」しか実現されていなかった時代に)無線機を背負って歩き回って実験したという『伝説』の研究、と呼ばれます。(いま、キミたちが「アンテナ3本!」などと…ぜんぶ室田らのおかげです、と教えられます。)つまり、GSMをGSMたらしめているのはGMSKだと…理解していいんでしょうか。
少し戻って、「日本のデジタルATC」の変調方式を見てみましょう。
・日本信号「デジタルATCの分かりやすい技術解説はこちら」
http://www.signal.co.jp/products/railway/technology/report/2010/03/ats3.php
> ◆デジタル符号伝送のメリットは
> AF帯のMSK(Minimum Shift Keying)符号変調方式を採用することにより、従来のATC方式と比べ車上へ伝送できる情報量が大幅に増加し、多現示式ATCに比べより柔軟な運用が可能になりました。
・情報通信振興会「MSK」
http://dsk.or.jp/dskwiki/index.php?MSK
> デジタル周波数変調(FSK:Fre-quency Shift Keying)ではデジタル変調符号の「0」、「1」に対応して被変調波の周波数がf1からf2に変化する。
> (大幅に略)
> FSKの変調指数mは(略)変調指数mを増すとスペクトルは拡がり、位相連続FSKでは変調指数m=0.5で理想的な検波が可能である。即ち、これより小さい変調指数では検波効率は低下する。この意味で検波効率の低下を起こさない最も小さい変調指数のFSKという意味から、変調指数0.5の位相連続FSKのことをMSKと呼んでいる。
いろいろすっ飛ばしての理解を試みますと、「FSK」は「お勉強」(原理の理解のため教科書に出てくるが実用的でない)であって、実用的なパラメータを設定済みの「MSK」を使いなさい(「MSK」でいいのかどうかなど考えもしなくてよろしい)、と読み解かれます。そして、人口密度の高い都市で携帯電話サービスを展開しようとすれば、MSKでも効率が足らないので「GMSK」が開発された、他方、デジタルATCでは、そこまで効率が高くなくてよくMSKで十分であった、と仮に理解されます。
・ウィキペディア「ガウシアンフィルタ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%A6%E3%82%B9%E9%96%A2%E6%95%B0
電気に近いほうの電子な方(どちらかといえば古いかたや、趣味の電子工作から入門されたかたなど=教科書が古いということです)にあっては、ローパスやハイパスのフィルタを使って(組み合わせてBPFとして)信号を分離する回路を、まるっとソフトウェア処理にして、フィルタの部分をガウス関数で実現する、すなわち、関数のパラメータを変えながら通せば、パラメータの数だけ信号を重ねたり取り出したりできる、たいへん「便利でおトク」なフィルタなんだと早合点すれば、「わしゃあ、ディジタル(回路)はよくわからんでのぅ」などといわずともダイジョーブ、ダイジョーブ…などと、本当でしょうか。電子が専門の方に一種「監修」(「第1種監修」などと…略)されたくあります。
・Wikipedia「European Train Control System」
https://en.wikipedia.org/wiki/European_Train_Control_System
ワー…と、記事の分量が格段に違う(英語版のほうが多い)ので、これは英語で読むべきである、そして日本語版を無意味にブランチ化せず、オリジナルの英語版を翻訳するべきである、日本を含め欧州の外での動向は、英語版に「コミット」すべきである、と考えられます。できる人、ぜひお願いします!
・Wikipedia「European Rail Traffic Management System」
https://en.wikipedia.org/wiki/European_Rail_Traffic_Management_System
最も外枠の「ERTMS」についても、英語版ですね、わかります。後で読みます、たぶん。今すぐ読める人は、ぜひお願いします!
いわゆる『鉄識』([3107])も楽しいことは実感されており否定するものではありませんが、いま、いまからのかた(これからが期待されるかた)にあっては、やっぱり最初から「グローバルにコミット」を目指す方向でひとつ、と思ってしまいます。<それある〜!!([3048])
ATSやATCが何型か、それはもう血液型のように、ただの分類上の付番や命名でしかないものであって、それを一種「これくしょん!」するところを立脚点としていては、技術開発の流れを質的に俯瞰することは難しく、ましてや今後の動向を見通すこともできません。
※※ここで「後述」です。
ATACSの地上局にバックボーン回線が要るのでしょうか。地上局間も無線でしょ、という広大で開放的な国土が広がる国や地域もあるかもしれませんが、東京でそれができるか、と考えますと、携帯電話と似た話になってきます。
・地上局の出力を絞って多数の地上局を置けば、多数の路線が狭い地域に密集していてもダイジョーブ、ダイジョーブ
・「諸外国」からは信じてもらえないような短い間隔で地上局を置くので、地上局を有線のバックボーン回線にぶらさげる、あるいはデイジーチェーン接続とするような(何のために無線化するんですか、と思われるような)形態でも採算が合う
…などと想像されます。(あくまで想像です。)
こうした点からは、社局(事業者)を超えた面的な管理(地上局の、電波の利用効率の上で効果的な配置)が重要となってくることがわかります。(「一面(※当社比)のじゃがいも畑の中心(※暫定値)」[2948]も参照。)いま、ご家庭にあふれる無線LANとも似て、各社がそれぞれ「最大出力!」でぐわらんぐわらんと…いえ、ゆんゆんと無線を使っては、到底、チャネルも(時分割であれば、その帯域も)あっという間に枯渇するわけです。それを「たくさん割り当ててくださいオネガイシマス」というばかりでは、同様の課題にこれまで対応してきた移動体通信の業界から、たいへん疎まれるわけでございます、たぶん。
●「次世代ATOS」の先へ。
もはや、ETCSのほうから見たほうが早そうに思えます。
・ATS-PとCTC/PRC
↓
・ATACSとネットワーク信号制御システム/ATOS(連動駅で軌道回路が残る)
↓
・ETCS Level3(完全に無線で移動閉そく)
ATACSと、従来の電子連動装置とが併存する段階では、連動駅の構内では移動閉そくでなく(連動装置の論理部によって防護が実現されるという意味での)固定閉そく(ただし実際の閉そく装置は軌道回路ではなく無線であるかも、の意)となり、「夢」と目される「ソフトウェア分割併合」(自動車のITSでいう自動隊列運転)が連動駅の構内ではできないなどの制約が残るとみられます。この段階では、ETCS Level3には達しないことがわかります。
※こうしたことが現に課題となるのは、(駅間距離が短く列車の密度が高い)東京だから、ということに尽きます。そうでなければ、駅のホームの途中に閉そく信号機(「信号ウソつかない」[3096])だなんて考えられない…というわけです。
※分割併合は何のために行なうか、するとどこで行なうべきか、という中で、連動駅ではできない、なんて困ります。そうして、ATACSが導入されながらも従来通り旗を振りながら分割併合するんですね…と想像されます。(技術的な検討と、実際的な検討は違います、の意。)
・(再掲)(個人の日記)「ETCS」(2006年5月18日)
http://web.archive.org/web/20060825042049/http://www.specialprovidence.net/diary/?date=20060518
> ユーロループ(Euroloop)という装置で連続的に車上と通信できるようにして現示アップを随時伝達したりもできます(オプション)。
軌道回路を用いたデジタルATCの状態でしょうか。
> この他に、GPSによる列車位置計測を行うETCS LC(low cost)という低コスト版ETCSが開発されているようです。
まさにソレ、というのが「GPS列警」なのでした([3110])、いえ、私が勝手にソレだと思いましたという話でした。
・日本信号「CBTC-SLシステム」
http://www.signal.co.jp/products/railway/productsinfo/2010/03/cbtc-sl.php
> 1ループで複数列車を検知/制御する、次世代CBTC
> (Communication Based Train Control with Shared Loop)
> 走行路に敷設したループ線を伝送媒体とし、デジタル伝送により列車検知/制御をする、都市型交通システム向けの次世代CBTCです。
ユーロループという固有名詞になってしまうとわからなくなるのですが、このCBTCでいうループ(※)のことで、その規格をEU内で揃えたのがユーロループだということですね。すると、ETCSは国境をまたぐ列車ばかりでなく都市内のAGTなども一元的に規格化しようというものだと読み解かれます。
・日本信号技報「CBTC-SL装置の開発」(2007年3月)
http://www.signal.co.jp/products/railway/technology/written/docs/2009technicaljournal_2007_1_2.pdf
AGT向けのシステムだとわかりました。
※レールがないAGTにあって、軌道回路の代わりに通信だけの線(ループ線)を線路内に張りめぐらせ…要は、最長で1,500メートルある「非常に長い地上子」を置いたような状態ですね、わかります。「CBTC-SL」では、これをさらに多重化しています。仕組み自体は高コストなところ、多重化することで元が取れる、といったものなのではないかと想像されます。そして、[3105]で述べたような信号電流の重畳は、通信にレール(軌道回路)を用いるATCではなされずとも、ループ線を用いたCBTCでは既にされているんですね。認識を新たにいたしました。
・YouTube「CBTC: Communications-Based Train Control」(2015年7月20日)
https://www.youtube.com/watch?v=Mjx3S3UjmnA
> Learn all about CBTC, the future of the New York City Subway.
「JUL 28 1952」と記された継電器(「カチカチ」)が見られます。必見です。
・日本信号「SPARCSの分かりやすい技術解説はこちら」
http://www.signal.co.jp/products/railway/technology/report/2010/03/sparcs.php
> SPARCS(Simple-structure and high-Performance ATC by Radio Communication System)は日本信号が開発した無線通信による列車制御システムです。
> 一般的にはCBTC(Communication-Baced Train Control system)と呼ばれており、次世代の信号システムとしてこれからの主流になると考えられています。
この流れと一部で重なりつつ、CBTCでいう自動化水準の進展が期待されます。
・ウィキペディア「CBTCの自動化水準」
https://ja.wikipedia.org/wiki/CBTC
> 現代のCBTCシステムでは、IEC 62290-1規格で定義・分類された複数の自動化水準 (GoA: Grade of Automation) に対応している。実際のところ、CBTCは運転士なしの自動運転を実現するうえで基本的な技術ではあるが、同義語というわけではない。
> 自動化水準では、
> 装置による保護付きで運転士が手動運転するGoA 1(通常は装置故障時の対応モードとして使う)から、
> 完全自動運転となるGoA 4(無人運転 UTO: Unattended Train Operation)までの範囲がある。
> 中間の水準としては、
> 準自動運転のGoA 2 (STO: Semi-automated Operation Mode)、
> 運転士のいないGoA 3 (DTO: Driverless Train operation) がある。
> GoA 3では、運転席に運転士はいないが、車内に乗務して機器故障時の手動運転をしたり、非常時に旅客の誘導をしたりする乗務員がいる。GoAの水準が上がると、安全性・機能性・性能の面での高い水準が求められる。
・ATO(TASCのみ)(現在の山手線の状態)
↓
・ATO(発車も):GoA 2(現在のつくばエクスプレスの状態)
↓
・GoA 3(現在のゆりかもめ状態:非常時には手動運転を行なう)
↓
・GoA 4(エレベーターのような状態)
※屋外を走る鉄道らしい鉄道においてGoA 4は想像しがたいですが、全線が屋内で、どこで緊急停止しても自力での脱出が容易な状況であれば、GoA 4もいけるかなぁ(乗ってもいいかなぁ、怖くないかなぁ)と思われます。リニア中央新幹線は技術的にはGoA 4なのでしょうけれども、駅間距離が非常に長く、しかもトンネルですから、心理的にはGoA 3であってほしいなぁ、と、いまはまだ思われます。非常時には浮上せずノロノロと「最寄りの駅」あるいは「最寄りの非常口」まで連れて行ってくれるという「バックアップ」があれば、GoA 4でも乗りましょう、と自分を納得させるような、そんな光景が想像されます。(あくまで想像です。)
と、少なくともATACSの展開に際してホームドアの整備が期待され(待望され)、そのためTASCが運用されることが想定され、ならばATOだと、自然につながっていくと読み解かれます。そうした大きな流れの中で、うーん、それでもやっぱり出発時機表示器を(しかもたくさん)設置しますかねぇ、と一種「嘆そく」されるような気がしないでもないような気がいたします。(あくまで気のせいです。やっぱりどうしてなかなかさようさよう[3054]、そうなるんだということは理解したくとも、素朴には納得がいきません。)
・「通知合図器」
http://atos.neorail.jp/photos/photos.cgi?mode=find&station=%97%5e%96%ec%96%7b%92%ac
・[3054]
> 出発時機表示器については、[3001]のようなことも考えられましたが、結局はこれまで通り、多数の表示器が設置されることとなりました。マニュアルの改訂などを避けたとみられます。それでも、「次世代型ATOS」([2954])としては、やはり出発時機表示器に頼らない方向に進むとみられます。いつ、どこの線区から実現していけるのか、注目されます。
・「左様左様」、「ごもっともごもっとも」、「なかなか」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8D%E3%81%8F%E3%82%8D%E9%A6%96_%28%E8%90%BD%E8%AA%9E%29
本題ではありませんが、ETCSにおける無線基地局(地上局)を「RBC:Radio Block Center」と呼ぶのが、いきなりには理解できないのですが、これ、「電波を用いた閉そく(Radio Block)」の「センター(集約された装置)」ということだと、「(列車の進行につれ、前へ押されるようにして)動く閉そく(Moving Block)」などの対訳を並べてみると、わかってきます。なかなか直感的だなぁ、と思われます。
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