・ラジオの自動番組送出システムほか ・表1 ムーアの法則で逆算される「新宿駅PCM再生装置(仮)」の規模
(約4000字)
この一連の記事では、「じゅんふどうのあっとらんだむ」で「じどうほうそう(ただしはっしゃめろでぃーをふくむ)」を技術面で立体的に読み解くことを目指します。
お好きな順番でお読みいただけるよう、1つの記事を短めに、そして細切れに掲載いたします。その分、1つの記事を読むだけではよくわからないということになるでしょう。あまつさえ、お好きな順番とはいいながら**で感じていれば事前に**があったはずだ…などと(略)。
※先に掲載しました「年表」([3208])も参照。
・[3203]
> うーん、新宿駅と渋谷駅での装置が、どういう再生方式だったのか気になります。ヤマハに発注したのだからヤマハのシンセだろうというのは思い込みで、実は▼専用のCDをプレスして、CDで再生していた?、▼PCMのデータを再生する専用の装置を起こした? …などとも想像できます。実際はどうだったのでしょうか。いよいよ気になります。
・同じく[3203]
> 「73ボード」と「86ボード」の差分(の基板面積、価格、部品点数)で、「外付けのPCM出力を行う回路」が実装できるということです。
> 1989年1月にPCM再生な基板をちょろっと作るには、「初代PC-9821」(1992年秋)を4年も先取りするようなソレがあったと推定されます。ちょっと無理があるかなぁ、と、外形的には感じられましょう。
いわゆる「ムーアの法則」を適用して逆算してみます。
※え゛っ!?
・最初のiPod(2001年10月23日)
https://ja.wikipedia.org/wiki/IPod
https://ja.wikipedia.org/wiki/IPod_classic
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/35/Ipod_1G.png
> 5GB 47,800円
> 音楽: 10時間
・(参考)
http://arigato-ipod.com/collection-specsheet.html
> 102×61.8×19.9mm
> 185g
約125.4cm3で185g(1.48g/cm3)と電卓されます。が、仮に厚みは無視して約63.0cm2の面積を、そのまま基板の面積だとみなしてみます。
※え゛っ!? え゛っ!?
・「ムーアの法則」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
> 経験則に類する将来予測
> 最も有名な公式は、集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる」というものである。
18ヶ月ごとに、集積密度が2倍になるということは、同じ性能の回路であれば、基板の面積が半分になるということです。(ただし厚みや積層のソレは考えません。)
なお、価格については、PCの平均価格の推移を参考に、12年で半額になると見込んでみます。(妥当とは思えませんが、仮に、何か出してみたいということで、無理やり持ってきたソレです。恐縮です。)
※え゛ー。
・新宿駅で1988年度(1988年10月)
■表1 ムーアの法則で逆算される「新宿駅PCM再生装置(仮)」の規模年月 | 面積(cm2) | 価格(円) ※2000年10月。 | 1988年10月 | 16137.2 | 95,600 | 1990年4月 | 8068.6 | | 1991年10月 | 4034.3 | | 1993年4月 | 2017.2 | | 1994年10月 | 1008.6 | | 1996年4月 | 504.3 | | 1997年10月 | 252.1 | | 1999年4月 | 126.1 | | 2000年10月 | 63.0 | 47,800 |
仮に正方形なら「127cm四方!(1270mm四方!!)」の、おお、これは大きなメインボードですね、と早合点されます。
Extended-ATXの基板が「305mm×330mm」とのことで、この16倍の面積だということになります。そこで、初めて「容量」も考慮に入れてみます。5GBも要らないだろう、そして、せめてE-ATXのボード1枚で2Uで収まってほしいなぁ、などといいますと、「えふぶんのいちっ!」…いえいえ、基板の面積が「16分の1っ!」で、容量も「16分の1っ!」と仮定しますと、なんと、『320MB(335,544,320バイト)の大容量PCM再生装置!!』とあいなります。CD-DA(640MBで74分)の0.5枚分にあたり、37分の演奏時間が確保されますっ!! 本当でしょうか。
・「ピンクノイズ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/1/f%E3%82%86%E3%82%89%E3%81%8E
価格は、iPodにあたる部分だけのものですから、ここに、▼2Uなシャーシはスチールで頑丈っ!、▼他の装置と接続するためのI/F部っ!(JRが指定する電気的仕様!)、といって、すぐに「168,000円」とか「250,000円」、ひいては「298,000円」くらいになるのだろうと想像するのはたやすいことであるように感じられましょう。(翻って、価格なんて、そんなもの、先にだいたい決まっているんだ、そんなもの(※)…いえいえいえ、メッソウもございませんが、だいたいそういうようなものとしまして、当時のJRから見てもそういうものだという、いかにもな価格であったので、ゴーサインのようなものが出て、現に「元祖・発車音」が実用されるに至ったと読み解かれます。)
※くどいですが、え゛ーッ!! そっちはフェルミですよぉ。…あのっ!
★ラジオの自動番組送出システムほか
上記ではあまりにもムチャな推定がなされた気がするので(フェルミにもほどがある!)、同時代の類例を探してみます。
・エル・エス・アイ ジャパン(LSI JAPAN)「APS(ラジオ)」
https://www.lsi-j.co.jp/products/aps.html
・同「業務経歴」
https://www.lsi-j.co.jp/company/history.html
> 1979年 創業
> 1981年 マイクロコンピュータ制御による初の110番受付指令システム納入
> 1991年 JR山手線向け移動体文字放送受信装置開発
> 2012年 警視庁向け「一斉指令装置システム」設備更新
おおー、最初のうちは「指令卓!(業界は問わないっ!)」の「マイコン化!(ごはんがふっくら!)」から始められて、そのうちカスタムLSIの時代だ([3108])といって、カスタムLSIでできること(カスタムLSIは注文して「つくらせ」て買ってきて取り付ければよい、の意)に広げていかれた、と、そのような社史とお見受けします。
・警視庁「110番の今昔」
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/110/110kj.htm
・警視庁「110番のしくみ」
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/110/110sk.htm
おお、その昔、▼指令員(業界は問わないっ!)が『頭の中』や『紙の上』、それに『黒板とマグネット』で行なっていたこと(「ピタネット」[2949])が、いまは▼GISですね、わかります! …と早合点されます。
しかし、ICやLSIで音声を扱うようになったのがいつごろかは、ちょっとわかりません。
・デノン(DENON)「DCD-SX1」
http://www.denon.jp/jp/dcdsx1/history.html
> 1972年に世界初の業務用PCMレコーダー「DN-023R」の開発に成功します。
> 1980年台初頭は、東京ディズニーランドの開園やファミリーコンピューターの発売など、夢の技術が次々に現実化されていきました。もちろんCDプレーヤーの発売もそれらに劣らぬエポックメイキングな出来事でした。
> 1982年10月1日、いよいよ世界初のCDプレーヤー※1として「DCD-2000」の発売に漕ぎつけます。
> ※1 SONY / HITACHI / Denon 三社同時発売
> 1982年当初、最高の技術だった16bit録音も時代とともに20bit → 24bitに進化していき、
・同「DENON Museum CDプレーヤー」
http://www.denon.jp/jp/museum/cdplayer.html
[3221]に続きます。
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