フォーラム - neorail.jp R16

「A列車 色がおかしい」を越えて進もう


発行:2016/9/30
更新:2022/4/26

[3358]

【MOBILITY - A City in Motion】

「MOBILITY」(2001年ドイツ)を読み解く(後編)


「Statistics」を読み解く
「Intersections and four-way intersections」より「Right over left」「Right of way street」を読み解く
「the three most significant evaluation criteria in MOBILITY; effectiveness, quality and mobility」を読み解く
「13 traffic-related indicators」を「MD-GRAPE」(1995年)それに「Xeon Phi」で読み解くSP
「mobility」とは何か
表 「the three most significant evaluation criteria in MOBILITY; effectiveness, quality and mobility」(「Manual」22ページより作成)

(約25000字)

 中編([3359])の続きです。


 前編([3360])では、本件ゲームの概要を紹介します。まず、本件ゲームのタイトルと同じ「モビリティ」を名称に冠する日本の公益財団法人「交通エコロジー・モビリティ財団」のパンフレットを参照しながら、本件ゲームの今日的なおもしろさを浮き彫りにします。次に、各国で「Spatial planning」と呼ばれる空間計画について理解を深めるため、ドイツ国内の空間計画に関する行政のしくみを解説している国土交通省の記事を参照します。

 中編([3359])では、本件ゲーム内でプレーヤーが配置する「Traffic-relevant buildings」「Traffic-technical buildings」を本質的に理解できるよう、日本国内の公益財団法人などを例に挙げながら本件マニュアル(英語)を読み解きます。具体的には、前述の▼交通エコロジー・モビリティ財団に加え、▼日本道路交通情報センター(JARTIC)、▼道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)、▼公害地域再生センター(あおぞら財団)、それに▼筑波新都市開発(現・筑波都市整備)、▼関西文化学術研究都市推進機構(新産業創出交流センター)のページを参照しながら、本件ゲームに登場する各施策等の実際を探ります。また、本件ゲームにクレジットされているRMV(Rhein-Main-Verkehrsverbund)ならびにVRR(Verkehrsverbund Rhein-Ruhr)の路線図を参照し、古今東西の交通網の成り立ちの多様性を探ります。

 後編([3358])では、本件ゲーム内で表示される13つの指標について読み解きながら、「モビリティとは何か」に迫ります。また、▼科学技術館で展示されている「GRAPE」、▼2013年発売のゲームに使われている「GlassBox」を参照しながら、実現したいシミュレーションと計算機の性能との難しいトレードオフに悩まされてきた歴史を振り返ります。最後に、これからの時代に求められる専門家像を探るとともに、そのエビデンスとなる高校レベルでの工学的情報教育への展望についてまとめます。


★「Statistics」を読み解く


 先に「Statistics」を読み解いて、なるほど、ゲーム内のデータを余さず使えばこんなにおもしろ…いえ、『おもしろくてためになる!』エデュティメントができあがるんだといってウロコしてみます。

※(ゲーム内での)通時的な統計がきちんと出てくるゲームって、意外とないんですよねぇ。瞬間瞬間の「状態」は見せてくれても、決算など(ゲーム内で)「10年分だけ!」などと(略)。仮にはAと称するゲームに「総走行キロ」「旅客輸送人キロ」など…ゲフンゲフン。(ゲーム内で)毎日23時59分.5に『一時停止のポーズ!』をかけてじぶんでφ(..)メモメモしなさいですって? …えーっ。(じぶんの手元で)データを続々と生み出しながら(みずから)捨てていく構図、ニッポンそのものですよ、ええ。それとは事情が異なりますが、東日本大震災の後、被災車両の貴重なログが上書きされて永久に失われたはなし…は以下を参照。

・JR East Technical Review「東北地方太平洋沖地震における新幹線脱線メカニズム解明と地震対策について」(2013年)
 https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_45/Tech-45-13-16.pdf

 > 車両のATC運行記録と列車の最寄りにある地震計が観測した地震動記録を持ち寄り、双方の時刻歴を突き合わせて、最も揺れが大きかった時刻における列車の在線キロ程と速度を割り出し

※平素からは、そこまでの分析はしていない(できるだけのインフラがない)ということのようですね。

 > 前述のような調査の方針と流れが決まったのは3月下旬で、震災から10日以上を経過していました。本来ならばもっと早く調査に着手すべきところでしたが、今回の震災では被災規模が甚大でその範囲も広範に及んだことから、まずは被災状況の把握と復旧方針の全体計画を策定することに時間を費やしました。実際の調査は3月下旬から4月中旬にかけて進めましたが、この間にも復旧の着手が早かった関東北部や盛岡以北に在線した列車は暫定営業区間で運用することとなり、車上記録が上書きされてしまうなど、十分な調査ができなかった事象も散見されました。

※いえいえいえ、特別な事象がなくてもログはすべて残すものだといって、改ざん防止の措置等も講じながらですね(略)。「野帳」については[3346]を参照。

 それはともかく、本件「MOBILITY」と題されたドイツのゲームの話題であります。あしからず。

・同「Manual」

 > General
 >  人口、就業者の率、(人口あたり?)レジャー施設(の定員?)

 > Passenger cars
 >  道路網の長さ、走行距離、平均速度

 ほおぉ!

 > Local public transport
 >  This allows you to analyze your local public transport system.

 どのように「analyze」されるのかは画面を見ましょう。

 > Traffic
 >  an overview of all urban traffic aspects

 このマニュアルの中で「urban traffic aspects」が未定義語だと思いまーす。(恐縮デース。)(本件ゲーム内で)農地は考えず、また高速道路や高速鉄道という「interurban」も出てこないので、ぜんぶ「urban」(都市内交通)だと思いまーす、の意。本当でしょうか。

 > User shares
 >  an insight into the various alternative concepts

 新技術等の普及率を確かめる画面だと早合点します。

 > Indicators
 > Finances

 別画面の情報も集約して表示されると早合点します。本当でしょうか。

・(参考)「都市内交通」
 https://kotobank.jp/word/%E9%83%BD%E5%B8%82%E4%BA%A4%E9%80%9A-105118

 > 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
 > 都市交通
 > 都市間交通に対して都市内交通のことをいうが、単に一都市内に限定されず、地域住民の通勤圏や生活圏が拡大するにつれて、その圏内も含めてより広い範囲をいう。したがって、都市内交通と郊外交通を含むこととなる。近距離交通が中心で、その交通の流れは、ビジネスや買い物、娯楽などは都心を中心とし、通勤では郊外と都心を結び、レジャーでは郊外中心というように一定の型があり、全体としてラッシュ・アワー現象が著しい。
 > いわゆる「時差通勤」が提唱されるが、その全面的実行はむずかしい。

 わあぃ満員電車は永遠なり。本日はオヒガラもよくお客さまにおかれましては満員のことと存…本当でしょうか。これからは(立席定員をゼロにした)けい太くん([3300])の一存でメロンパンをですね(略)。

 > 第一に、日本の都市交通発達上の特徴がある。すなわち、明治以後、鉄道あるいは海運、河川運を中心とした交通体系がつくられ、また主要街路はかなり整備されたが、住民の生活用道路は劣悪なまま残された。とくに馬車の普及が後れたことと、第二次世界大戦前、自動車の普及が抑えつけられたために、歩道・車道の区分・分離、道路の幅員拡張、舗装など自動車を受け入れるための道路条件が悪いまま残されたことが、1960年代になって急激にモータリゼーションが進行したとき、歩行者死傷率を高くし、交通公害、交通まひを激しくした一つの要因となった。

 「歩道・車道の区分・分離」を実現する前提となる「道路の幅員拡張」に反対していたら「歩行者死傷率」「交通公害、交通まひ」は減らないんですよ。ええ、減らないんですとも。

 > 『W・オーエン著、中尾光昭・本間義人訳『都市交通改造論』(1973・サイマル出版会) ▽角本良平著『都市交通政策論』(1975・有斐閣) ▽中西健一・平井都士夫編『交通概論』(1977・有斐閣) ▽岡並木著『都市と交通』(岩波新書) ▽平井都士夫著『都市と交通』(新日本出版社・新日本新書)』

 おお、ワタクシ、もっと新しい岩波新書「東京の都市計画」だけ読んだ「最近の普通の人!」ですとも、ええ。

・岩波新書「東京の都市計画」(1991年12月20日)
 https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/5/4302000.html

・Google ストリートビュー 「元祖ジャンボめろんぱんと東京スカイツリー®」「新感触ぷにぷに」付近
 https://goo.gl/maps/FY23kVMLkHw
 https://goo.gl/maps/8VwPohBVYan

・東武トップツアーズ「東京スカイツリー®特集」
 http://tobutoptours.jp/skytree/

 > 志木・朝霞台・和光市からスカイツリーシャトルで行こう! 4,700円
 > 東京スカイツリー天望デッキ(350m)日付指定入場券引換券付き

 えーっ。地下鉄を乗り継いで…確かに行きにくいですね、わかります! 朝霞台から新越谷までJR線経由がよろしいということで892円っ(※東京スカイツリー®の入場料金2,060円は含んでおりません)。いやいやいや、池袋から北千住までJR線で689円っ(同)!

・(参考)総務省統計局「文化・レジャー」
 http://www.stat.go.jp/data/chouki/26.htm

・(参考)経済産業省「レジャー・余暇活動の動向について」
 http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h17/h4a0506j3.pdf

 > 総合的に「レジャー・余暇活動」を時系列的にとらえる指標はあまり見受けられないことから、本稿では、「第3次産業活動指数」を用いながら、レジャー・余暇活動の動向を考察するとともに、同活動の将来の見通しについて触れてみることとしたい。

 > 100世帯当たりの乗用車の保有台数
 > 第?T−2−6表 「レジャー・余暇活動指数」試算に使用した品目名

 > 「レジャー・余暇活動指数」をその構成品目で要因分解し、その伸び率寄与度を全期間(元年1〜3月期から17年1〜3月期)を通じてみると、寄与度の最も大きかった品目は、飲食店、次に娯楽業、ドライブ、旅行業となり、最も小さかった品目は、宿泊業であった(第?T−2−11図、第?T−2−7表)。

 わあぃあんきんた〜ん([3313],[3326])。荻窪から南伊豆まで往復で10時間…いえいえいえ、熱海も日光・鬼怒川も日帰りだっ。(※およそ3のイメージです。)…それはともかく、「人口あたり施設数」といって図書館や博物館、それに美術館などを数える(=それ自体が設置基準である)がごとく、人口、就業者の率と同じ画面に「leisure facilities」が表示されるのだといって納得してみます。

 以下、ゲーム画面の操作方法については読まずともだいたいわかるといって28ページまで飛びます。

・同「Manual」

 > Consultant

 わあぃ呼ばれて飛び出て次回もコンサルこんさるぅ。…メッソウでございました。

※「ヒント」については[3300]も参照。

[3300]
 > > ゲームは無料で試せるが、ヒントボタンと取り消しボタンは有料だ。
 > > ラムズフェルド氏はヒントボタンについてはどんどん使っていいとアドバイスしているが、取り消しボタンを使う人には手厳しい。「人生にはやり直しがきくことはほとんどないが、ヒントをもらうことはできる。年長で賢明な人からアドバイスをもらうことは人生で誰もができることだ」。


★「Intersections and four-way intersections」より「Right over left」「Right of way street」を読み解く


・同「Manual」

 > (29ページ)
 > Intersections and four-way intersections

 おお、何もつけずに「intersection」といって、その実、本線から支線が分岐するイメージなんですね(※)。あちこちから伸びてきて「3さ路!」という見かたとは、まるで見かたが逆なんだと早合点できそうです。ましてや、2つの道路が別々に伸びてきて、ある地点で交差したので「交差点!」といって、デフォルトで「4さ路!」などと…そのような道路の伸びかたをしてくるのはむしろ特殊なのではないかとも思えてきそうです。

※枝分かれの「ルート!(根!)」は、なんといいましょうか、こう、その、きっと、ええと、ズバリ『ローマ!』ですね、わかりますわかります!(棒読み)

・「ローマ道」
 https://kotobank.jp/word/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E9%81%93-153373

 > おもにローマから放射線状に,イタリア半島の各地にのびる公道が建設されていき,共和政の末までに半島の道路網はほぼ完備し,アウグストゥス以降帝政期には半島内の道路の修復・整備と属州の道路の建設,管理機構の確立に力が注がれた。

 「上り」「下り」さえ間違わなければ、必ずローマに到達できる! …ろっ、ローマからの「帰りみち」がわからなくなっちゃいましたっ。「素」でローマに住めばいいじゃないですかぁ。や〜だなぁ。

・同「Manual」

 > (29ページ)
 > right-of-way regulation
 > 'right over left' as standard.

 まったくわからず。恐縮です。

・(参考)
 http://www.ristadrivingschool.com/signs/

・同「この先、合流あり」
 http://www.ristadrivingschool.com/images/signs/merge.gif

・同「(先行権を)ゆずれ」「この先、"ゆずれ"あり」
 http://www.ristadrivingschool.com/images/signs/yield.gif
 http://www.ristadrivingschool.com/images/signs/yieldahead.gif

・同「青信号時は左折車は(先行権を)ゆずれ」「2人以上同乗時のみ使用可能車線(カープール/HOV)」
 http://www.ristadrivingschool.com/images/signs/leftturnyield.gif
 http://www.ristadrivingschool.com/images/signs/carpool.gif

 なんとなくわかったような気がしてきました。もっと恐縮です。

・(参考)「Lesson 3 Right of Way Lesson 3 Right of Way Understanding the Virginia Driver’s Manual 1.」
 http://slideplayer.com/slide/4755883/

※yield:(じぶんの車を)停止して(ほかの車に)道を譲る、right-of-way:(通行の権利⇒優先して通行する権利⇒)先行権。

 > Speed Limits
 > 25 MPH
 > 70 MPH
 > 35 MPH
 > 55 MPH
 > above 80 MPH

 それぞれ、時速▼約40キロ、▼112.7キロ、▼約55キロ、▼約90キロ、さらに▼約130キロといって、うーん、何らかの認知上の境界をなす区切りかたなのだろうかと、『メートルな文化圏』に暮らす我々『けげんな顔!』をしてみます。なお、本件ゲームでは「km/h」で表示されますので安心です。スクールゾーンは『30キロ!』ですぞ。わあぃ学校はどこだっ…遠くて見えないや(違)。

・「スクールゾーン」
 https://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3-83653

 > ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
 > 学校,幼稚園を中心に,その登下校時に通学・通園道路の交通制限を行うゾーン。学校などから 500m程度まで,通学路などを指定して,時間内の車両通行止め,一方通行,20〜30km/h以下の速度制限などが細かく定められている。

 > 大辞林 第三版の解説
 > 〔和 school+zone〕
 > 幼稚園児・小学生の通園・通学路として指定され,登下校時に車両の乗り入れが規制される区域。1972年(昭和47)から実施。

 ぬおー。(この中では)大辞林だけ開始年が明記されています。実は全力でスゴイのですぞ。わあぃダージリン。(失礼いたしました。)

・同「Manual」

 > (30ページ)
 > You can construct a set of traffic light
 > for Extended settings
 > total light cycle in seconds
 > light interval for the right of way street and side street

 この「right of way street」と「side street」を厳然と分ける(ことを疑いもしない感じの記述)が、おお、そういう道路網の成り立ちが背景にあるんだなぁ、とシノバレそうです。本当でしょうか。なお、バスが近づくと優先して「青」にしてくれるソレ、よろこんでオンにしようではありませんかっ。…コストはいかほどになりまして?(本件ゲーム内では、信号機一式の維持費用にコミコミだということになっています。)

・(参考)UTMS協会「公共車両優先システム(PTPS)」
 http://www.utms.or.jp/japanese/system/ptps.html

・同「光ビーコン」
 http://www.utms.or.jp/japanese/beacon/index.html
 http://www.utms.or.jp/japanese/beacon/images/fig-01.jpg

 > 新交通管理システム(UTMS)を実現するためのキーインフラです。
 > 電波法上の免許が不要
 > 設置費用が安価
 > 双方向通信

 おおー! 昔なつかしいIrDA([3299])が『適材適所!』で活躍ですね、わかります! 技術史の上ではこういうことがたびたびあるので、「古い技術=いまは役に立たない」という先入観を持たせない配慮([3298])が必要だと思いまーす。(個人は見解です。)

※夢の「光連結器」については[3136]を参照。

・Google ストリートビュー「光ビーコン」(愛知県瀬戸市)付近(推定)
 https://goo.gl/maps/uaV95vxxVM12
 https://goo.gl/maps/yNA2YHUXe4m

・これは詳しそうなかたがいましてですね付近
 http://www.beaconmap.com/cgi-bin/topics/topics.cgi?page=40
 http://www.beaconmap.com/img/topics/10-1.jpg

・ウィキペディア「愛知環状鉄道」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9F%A5%E7%92%B0%E7%8A%B6%E9%89%84%E9%81%93%E7%B7%9A

 > 鉄道評論家(鉄道アナリスト)の****は著書にて「(略)国鉄は各線の事情を考慮せず、一律に(特定地方交通線に)指定して(廃止・第三セクターへの経営分離をして)しまうというミスを犯してしまった」と指摘している。

 国鉄に意思決定の権限って、あったんですかねぇ。うーん。

 > 将来的には、トヨタ自動車が貨物輸送を愛知環状鉄道で行う予定と報道され、全区間複線化して三河豊田駅からトヨタ自動車本社工場に貨物専用線を設ける計画予定もありとされていたが、貨物輸送終了後も日本貨物鉄道(JR貨物)が許可を有していた岡崎 - 北岡崎間の第二種鉄道事業は2010年(平成22年)4月1日で廃止された。
 > マイカー通勤転換プロジェクト

 トヨタ自動車さんが自ら鉄道事業者になりながら、電車とも自動車ともつかない乗りものを走らせたり、しませんかねぇ。(あくまで一般的な憶測は希望的です。)そのような意欲的な取り組みに際しては、JRグループ全体での整合性までは問われない「身軽なカイシャ!」は(何でも試せるという意味で)好適では、ないんですかねぇ。


★「the three most significant evaluation criteria in MOBILITY; effectiveness, quality and mobility」を読み解く


 いよいよ後編の本題、そして一連の記事を通しての本題でございます。

 「MOBILITY」と題されたゲームの中で、「3大評価指標の1つ!」として「mobility」が挙げられています。おお、ここを読み解けば「モビリティとは何か」がクリアーになりそうです。

・(再掲)「Indicators」のイメージです
 http://www.mobygames.com/images/shots/l/203426-mobility-a-city-in-motion-windows-screenshot-city-indicators.jpg

・同「Manual」(一部再掲)

 > Preface
 > (略)Of course, this is all just a game. Or is it? The measures used in this game to influence traffic, spatial planning and environmental impact are all based on professional spatial and traffic planning.

 > the letters E, Q, M
 > When consolidated these result in a city evaluation, (略)with the letter C.

※consolidate:統合する。

 > (22ページ)

 いかなる指標を組み合わせて「E」「Q」「M」を算出し、いかにして「C」として統合(総合)するか、「all based on professional spatial and traffic planning」だといってワクワクできそうです。

■表 「the three most significant evaluation criteria in MOBILITY; effectiveness, quality and mobility」(「Manual」22ページより作成)

effectivenessqualitymobility
Optimizing
accessibility
✓ Kilometers per person
✓ Travel times
✓ Land used✓ Accessibility
Facilitating
traffic routes/buildings
✓ Traffic jams✓ Noise
✓ City subdivision
✓ Traffic safety
Diffusing
alternative traffic concepts/
environmentally-friendly vehicles
✓ Mobility costs✓ Exhaust gas✓ Travel comfort
Reducing
energy consumption
✓ Energy consumption
per kilometer
✓ Energy consumption
per person


 ゲーム中で評価に使われる13つ(!)の指標を、モットモラシク分類して、ただちにむにゃーっとてきとーとまではいえないラベルをつけてみました。(マコトに恐縮でございます。)

 表中、上ほど抽象的で複合的、下ほど具体的でシンプルな取り組みであるとわかってきそうです。(「シンプル=かんたん」とは限りませんが、押せば押しただけ動いて、それ以上の関連(=つられて動いてしまうもの・動かすつもりがないのに動いてしまうもの)はないという明快さがありますね、の意。)

 「E」「Q」「M」という横方向は、年代順といいましょうか、順に追求されるようになってきた、概念としての新しさ(右ほど新しい)を示していましょう。(略)エコモ財団のタイムラインを振り返るとよくわかります。財団の名称に「アメニティ」と冠していた時代には「Q」を追求しつつ、「Energy consumption」には関知していなかったところ、「Energy consumption per person」という側面が出てきたので、「アメニティ」と「交通環境対策部」をくっつけはっつけできるんだと立体的に理解できそうです。そして、これからはモビリティの時代だ! といって「エコロジー・モビリティ」などと、中黒を用いて半ば自動的に連結するに至るというわけでした。…たぶん。

 横方向に見るとどうでしょうか。「Diffusing alternative traffic concepts」といって「active navigation」のほうなど念頭に置きますと、こう、VICSセンター(道路交通情報通信システムセンター)と「らくらくおでかけマップ」(エコモ財団)の接続やいかんといって、仮には「訪日客がハンドル形電動車いすでSAPAから鉄道に乗り換え」をサポートしようといった複合的な施策には取り組みにくい体制であるかもしれないと思われてきそうです。本当でしょうか。

 あるいは、ホームドア設置が大幅にずれ込むと見込まれる駅に代わって、近隣のホームドア設置駅と目的地との間をバスやタクシーで振替輸送する(※)というような補完的な施策も、なかなか出てきにくいのではないだろうかといって心配してみましょう。(あくまで心配は個人です。)

※そういうものをも、仮には『みなし振替輸送(対象者を限定しながら毎日運転!)』だといえるような制度をですね(略)、の意。それぞれの事業者としては何も特別なことはしないのだけれど、組み合わせるとバツグンの効果が出てくるというような『驚きの白さ』でトップ…いえ、ありえーる…いえいえ、あたっくなのです!

・花王「世界のアタックへ」
 http://www.kao.co.jp/attack/about/

 > 「洁霸(ジェッバ)」
 > 「潔霸(ギッパ)」
 > 「匙靈(イーツーリン)」
 > 「アタックリキッド」
 > 「アタックイージー」
 > 現地表記で"アタック"と読みます。
 > 柔軟剤入りで液体タイプの「アタックプラスソフナー」

※「匙靈(イーツーリン)」は原文ママですが写真のパッケージには「一匙靈」と書いてありますよねぇ。

 ほおぉ。しかし本件とは無関係であります。(恐縮なのです!)

・「アタックNo.1」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AFNo.1

 なるほどアタックといいさえすれば「霸」と続けたくなるソレはコレですよ。

 そして、本件あくまで「MOBILITY」と題されたドイツのゲームの話題でございました。


★「13 traffic-related indicators」を「MD-GRAPE」(1995年)それに「Xeon Phi」で読み解くSP


・同「Manual」

 > (33ページ)
 > Tips & tricks regarding the indicators
 >  three criteria
 >  13 traffic-related indicators

 > These traffic-related indicators consist of the data calculated during simulation, which have been standardised for use as indicators:
 > 0 = indicator is negative
 > 0.5 = indicator is neutral
 > 1 = indicator is positive
 > All traffic-related indicators are added together. If the resulting total exceeds 6.5, the city can grow. If the total is less, the city's inhabitants will leave for another city. All indicators equally weighted.

※criteria:(判断の)基準、indicators:(生の)指標、standardize:〔数学〕正規化(規格化)。

 うーん。

 13つの指標の合計が0から13までの範囲になるので、半分の6.5を『分水嶺!』として、ゲーム内の都市の発展のベクトル(のようなもの)がプイとそっぽを向く…などと(略)。6.0と6.5で、そこまで決定的な違いがあるんですかねぇ、といって、『なめらかな連続量!』([3282],[2989])で扱っていないところに「そこはそのぅ、まあ、ゲームですからね」的な何かを感じ取ることができるかもしれません。本当でしょうか。…「all based on professional spatial and traffic planning」などといったそばから、このこのぅ([3299])。

[3342]
 > 速度感や降雨時のブレーキなど『アナログの連続量!』というものを直感的にだなぁ(略)。

 シミュレーションを高精度にする(=なるべくなめらかに連続量を扱うということは、正規化された値において小数点以下の桁数を増やすということです)のは難しくても、実際の感覚(ある都市に住もうか別の都市にするか決める時など)としては、かなり高精度であろうと実感されそうです。(極端には)街角の広告1枚が気に入らないといって街全体が気に入らないということもあるでしょうし、まったく不満だらけ(すべて0.4くらい)ではあるが突出した不満がないので我慢するということもあるでしょう。こうした人間…といいますか、生きものとしての(きっとホルモン様の分子をかけあわせて連続量っぽい演算が体内で行われているんだと早合点しながら)ソレを、きわめてスパッと無視していることがわかります。ああプロよ、それがプロというものであってだなぁ(略)。きょうあすの計算に7日かかったら仕事にならないのですよ、ええ。(※あくまで一般的なイメージです。)

※ホルモンについては[3282],[3287]を参照。わあぃ近年ストレスすとれすぅ([3304])。

※予想や推定の当たり外れを問うほうの「精度」については「かみつたセンセイ」([3181])を参照。

 おお、0.4くらいも0.6くらいも0.5に正規化するんだといって(?※)、0.5=neutralを設けているのはまったく妥当だと思われてきます。しかし、足し算したのち、6.5でバッサリという、そこだけが納得いかないのであります。うーん。

※いえ、0.4は0.4、0.6は0.6として扱っているのかもですが、0.5というドンピシャの値だけをneutral扱いするというところに納得がいかないということかもしれないと思い直してみます。0.5をピークとしつつもいくらかは幅のある「neutral zone!」というものをだなぁ(略)。

・きょうの樫尾さん2「高精度組合せのカシオ計算機!」のイメージです
 http://keisan.casio.jp/exec/system/1161228812
 http://kashiotoshio.org/

 > 13個から2個を選ぶ組合せ=78
 > 702個から2個を選ぶ組合せ=246051
 > 16384個から2個を選ぶ組合せ=134209536
 > 16384個から3個を選ぶ組合せ=732873539584
 > 16384個から4個を選ぶ組合せ=3.0013003629814E+15

[3099]
 > 表1 業務の分類(仮)
 > 中間的(N)

 こういう表を、13つの指標の各々のペア(78)について書いてですよ、その上で、出てきた9×78=702のソレ(ペアの状態)について、そのペア(246051)ではどちらが優位であるのか、あるいは中立であるのか、これまた3値で「エッジの重み」を決めて(※)いくんですよぉ。やだなぁ。

※「100人に聞きました!」([3057])しながら、ヒューリスティックなソレを計算に加えたいなぁ、の意。(あくまで私見です。)「SD法」については[3218]を参照。

 そういう重み付きグラフ(ネットワーク)をつくっておいてから、さあ、「単純な足し算!(そして6.5!)」などしなくていいですから、計算機を動かしながらでいいですから聞いてくださいますぅ? えっ、そんなヒマないですって? …なんだかなぁ。

・(参考)井上純一「グラフ理論 講義ノート #2」(2007年4月23日)
 http://ocw.hokudai.ac.jp/field/field10/graphtheory-2007/
 http://ocw.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/GraphTheory-2007-Note-02.pdf

・同「カオス・フラクタル」より「労働市場のカオスモデル」(2011年)
 http://ocw.hokudai.ac.jp/field/field10/chaosfractal%ef%bc%882011%ef%bc%89/
 http://ocw.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/ChaosFractal-2011-Note-06.pdf

 > 失業率と物価上昇率の稠密性と不変測度

 2つの指標だけを扱うのであれば、そのためだけの手厚いソレでごにょごにょと…理想的には702のペアについて、各々に手厚いコレができればいいんですけれどもねぇ&プロはそのくらいできてあたりまえですって? おおー、タノモシイ。(※あくまで一般的なイメージです! プロというものへのナイーブな**をストレートに表現しています![3306]

 こういう計算をしようというと、いくら「マップ」を「128x128」にしても、こう、ゲーム内の時間の進行に対して「リアルタイム!」で計算が終わるのかどうかなど…心配になってきそうです。もっと本当でしょうか。もっかい、このこのぅ!([3299])&ぐごー…もう食べられないよ([3099])。

※「128x128」のマップに、マス目は16384個あるので、(位置は問わず)マス目のペアは134209536、3個組にしたら732873539584になるんですよぉ。やだなぁ。…(じぶんのマスから見て)隣りあう4マスだけ見ながら(じぶんが)スライドして65536ですと? …いやいやいや、『名状しがたいジャンパー線のようなもの!』を飛ばすがごとくですね(もっと略)。

※わあぃXeonがいっぱい。***Xeonがいっぱい***。

・「Xeonがいっぱい」ございます
 http://www.hpc.co.jp/images/phi01.jpg
 http://www.hpc.co.jp/benchmark20121113.html

 > つまり、このボードの中に、1GHzで動作するCPUを200コア搭載したLinuxサーバがある、と考えてください。
 > Phiは1枚で1290Gflops(従来比ほぼ2倍)の実効性能を達成しました!これは潜在的に強力な浮動小数点数演算性能を有していることをアピールしています。

 「MOBILITY」と題された、基本設計は1998年まで遡るのではないかと見受けられるゲームにあって、2016年のいま、現在進行形で計算機がウンウンとうなるようなソレを期待することはできないわけですが、それでも、何らかの簡略化の上で、「単純な足し算!(add together!)」を脱したエレガントな「統合(consolidate)」が行われていてほしかったかなぁ、と、あくまでいまとなっては思われてこないでしょうか。

・ウィキペディア「GRAPE」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/GRAPE

・(参考)科学技術館「科学ライブショー「ユニバース」スタッフによるライブショーの紹介と感想。」(2006年06月17日)
 http://universe.chimons.org/weekly/000166.html
 http://www.jsf.or.jp/image/floor/MDM-0.jpg
 http://www.jsf.or.jp/3dtheater/synra/

 > 「銀河宇宙の世界」では、太陽のような星がたくさん集まったものである銀河同士が衝突したらどうなるかをコンピューターで計算して実験しました。この計算はたくさんの天体の相互作用を計算するため、GRAPEという特別な計算機を用いています。このGRAPE、科学館にあるのは世界中でここだけだそうです。このコーナーではお客さんに銀河の衝突のさせ方を決めてもらってシミュレーションするということも行いました。皆さんもぜひ「ユニバース」に来てGRAPEを使ったシミュレーションを体験してみてくださいね。

 ぬおー…。「てっぱく」でも「MARS-1」のレプリカを動態展示しましょうよぉ。…しましょうよぉ([3178])。

 > GRAPEをいくつも使って行なったコンピューター実験の結果を紹介していただきました。

 さらにぬおー(略)。

・理化学研究所「戎崎計算宇宙物理研究室」(2008年)
 http://www.riken.jp/~/media/riken/research/labs/chief/computational_astrophysics/an2008.pdf

 > GRAPE-DR用分子シミュレーションライブラリの開発
 > これまでに,代表的なボトルネックである分子動力学計算の実空間2体相互作用と長距離クーロン相互作用の波数成分の計算,量子化学計算の2電子積分計算のライブラリを開発した。これらをGRAPE-DR1チップボードによるテストを行なったところ,粒子数が充分多ければ,ホストPC単体(Intel Core 2 quad 2.66GHz)の場合と比べて20倍以上に高速化できることを確認した。これらのライブラリはC言語の関数として呼ぶことで利用可能である。また,分子動力学用のライブラリはMDGRAPEシリーズのものと互換性を考慮して作成しているので,完成時にはMDGRAPE用のプログラムはほとんど変更することなくこのライブラリが使用できるはずである。

・こんなところに「GlassBox」がっ(2012年3月21日)
 http://gigazine.net/news/20120321-simcity-2013-glassbox-game-engine/
 https://www.youtube.com/watch?v=vS0qURl_JJY




 > これまでのシムシリーズではシムの動きのシミュレーションは乱数表を用いた「シミュレーションもどき」だったので、シムの動きは一定パターンに収まるものでした。しかし、GlassBoxエンジンはデータ駆動でシムや環境をシミュレーション。たとえば、先ほどの「発電」のように、1つ1つのルールが独立して動くのではなく他に影響を与えるようになっていて、すべての要素がゲーム全体に絡んでくるというわけです。

 新作が出たからこそ、旧作の「実は***でしたっ」があばかれるぅ。いいぞいいぞ、もっと*っ**れ!! …などと(略)。それが、本質的に新しいものをつくるべく「センパイの仕事を否定する!」([3110],[3077])ということなんですよぉ。わあぃ大型でモーレツなセンパイ風っ。…なんだかなぁ。

 「128x128」の例でいうところの「(じぶんのマスから見て)隣りあう4マスだけ見ながらスライドして65536」にあたる規模のマルチエージェントなソレを現実的に実装しました感が漂います。本当でしょうか。

・フィールド情報学研究会「マルチエージェントシミュレーション」のイメージです
 http://www.ai.soc.i.kyoto-u.ac.jp/field/chapter8.html
 http://www.ai.soc.i.kyoto-u.ac.jp/field/textbook/files/image/chapter8/chapter8_slide_018.png


★「mobility」とは何か


 うっかり忘れるところでした。

・同「Manual」

 > (34ページ)
 > Mobility
 > All indicators are standardised to fit a city with 50,000 inhabitants. However, you do have the opinion of changing some of the indicators. Other indicators, such as city subdivision and land used, are dependent on the prevailing infrastructure. This can only be changed or improved in the long term.

※prevailing:優勢な、今流行の⇒目先の(?)、only be changed or improved in the long term:⇒長期変動としてのみ観測できる。

 「目先の○○!」と「長期変動」を対置して述べているのかなぁ@本当でしょうか。いま、仮にはパーク&ライドの駐車場をでっかくオープンさせましたっ@スゴイでしょ、といって、いそいそと「Mobility」の指標を見に行っても、そんなすぐには指標は変わりませんよぉ、といわれているのだと早合点してみます。…ぎくっ。そういう感じに「指標」を用いる職場なんていくらでも…ゲフンゲフン。わあぃ右肩上がりっ([3046],[3154],[3181])。

※あくまで一般的な決めつけです。

 > (37ページ)
 > Accessibility
 > If you have too many residential streets, and have set speed limit zones of 30 km, the accessibility of individual parts of your city will be significantly worsened.

 「residential streets」といって、あくまで道を基準に街区をとらえる発想はなかったです! そして、「too many streets」といって、その実、▼交差点で分岐して住宅地区に入っていく道の本数(=分岐の数)を数えているのか、▼ゲーム内の道路のマス目(=総延長)を数えているのか、ちょっとわかりませんです。(恐縮です。)

 (ゲーム内で)我々どのようにすべきかといって、▼住宅地区を通り抜ける(通過交通が流入する)道路網にしてはいかんとですよ(行き止まりもしくは住宅地区内をぐるっと回って『入口』に戻ってくるような街路にするのですよ)、▼住宅地区からは速やかに制限速度の高い大通りに出たいなぁ、それでもなお▼大通りは住宅地区から離れてあってほしいなぁ、といって、その実…ぎゃふんです。

※いったいどうしろとおっしゃいますねん、の意。公園のほうなど挟みながら、まず駐車場、そして大店法のソレなど配置しましてですね(略)おっと、この先は有料ですぜ☆(※このフォーラムはこんども次もその次も無料ですッ!)

 > Comfort
 > You must make sufficient parking facilities available to your inhabitants, and you should also offer them additional systems such as
 >  traffic information by means of the PTA
 >  Mobility center
 >  passive navigation
 >  active navigation
 >  special local public transport services such as Internet information, terminals and dynamic passenger information
 > You should also offer your inhabitants alternative concepts such as Park & Ride parking lots and car sharing stations.

 ひたすら「alternative concepts」ならびに『高度情報化!』の普及に努められたしといわれて途方に暮れた感など…ゲフンゲフン。ええい、普及しさえすればいいんですね、わかりますッ!! 「Subsidies」をじゃぶじゃぶだっ…などと(略)。本当でしょうか&そんなことでいいんでしょうか。やだなぁ、「your city」の収支(Balance)が「素」で破たんしない限り、それでいいんですよぉ。…なんだかなぁ。かくして「月産20台で立ち上げ、早期に同200台規模を目指す」([3106])…じゃなくて、『定着時5万人程度!』と見積もられた「美しい計画都市!」に人口を詰め込むべく高層住宅を「解きん!」していくのですよ。…えーっ。

 > Traffic Safety
 > the frequency of accidents, with and without casualties.

※with and without casualties:死傷者の有無にかかわらず。

 > to increase your city's inhabitants' safety by reducing speed and equipping busy four-way intersections with traffic lights.

 そして「スクールゾーンはたいせつですぞ」といって、唐突に終わっている感のあるマニュアルなのでございました。(いえいえいえ、最後の章は付録のようなものですから、唐突に終わって=本編から浮いていて当然ではあります。だからこそ付録扱いするんですね、わかります。)

・「スクールゾーン 施工後」のイメージです
 http://www.daishin-co.jp/cl04/5_L1.jpg

・シンク出版「時速50キロ以下で事故多発!」
 http://www.think-sp.com/2011/08/19/tw-jisoku50kiro/

 > 時速30キロ以下で発生する死亡事故が全体の24.6%で第3位、2位が時速50キロ超〜80キロ以下の28.4%、トップは時速30キロ超〜50キロ以下の38.9%で、時速50キロ以下が6割を超えていました。
 > たとえ低速度でも、わき見して進行方向を見ていなかったり、安全確認が甘いと、衝突するとき回避操作をまったくできないことも多いのです。

※「時速30キロ以下」に制限して、そのこと(制限速度)だけを示すのでなく、「ここはスクールゾーンですよぉ」といって喚起することが有効だと…そういうエビデンスがあったのかなかったのか、よく調べてみないとわかりません。本件ゲーム内では制限速度を示すだけという『設定!』になっており、警告「Dangerous street at a school!」への対策として「30 km/h」で十分なのかは、なお疑わなければならない気がしてきそうでした。

 この3つの指標だけを統合すれば「Mobility」の評価値が得られる(「Mobility」なるものの達成度が判断できる)、ということではなさそうだと思えてきそうです。すなわち、あくまで全体として13つ(!)の指標がすべて連動するのであって、3つだけつまみ出してもしかたないんだという理解です。本当でしょうか。

 あえていえば、13つ(!)もある(生の)指標に、わかりやすいラベルをつけてみましたといって、その1つが「M」だと、立体的に理解できてくるような錯覚がいたします。(たぶん錯覚です。)

 > (36ページ)
 > Land used
 > The space consumption states whether your city has too many traffic spaces, such as streets and parking spaces, in relation to its population. After all, traffic spaces reduce your city's appeal to its inhabitants.
 > You can help here by increasing the number of inhabitants.
 > In this respect, take care to construct new areas with as few streets as possible.
 > However, you can only improve this indicator in the long term by setting up as few traffic spaces as possible in your city.

※state:〔他動詞〕〜ということをいっている(表している)。

 「都市の人口に対して過剰な交通空間を設けてしまっていないかどうかを表している」のが「Land used」だということです。

・(参考)日経BigData「データを長期変動、季節変動、不規則変動に分解する」(2015年11月6日)
 http://business.nikkeibp.co.jp/atclbdt/15/recipe/102500012/
 http://business.nikkeibp.co.jp/atclbdt/15/recipe/102500012/026.png

※長期変動⇒トレンド。

・「こんど」「つぎ」「そのつぎ」「そのあと」のイメージです
 http://stat.ameba.jp/user_images/20130428/19/totalfinaelf10/db/69/j/o0640048012517205501.jpg

・東京都「重要と考える道路の機能」(2015年10月)
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2015/10/60pau100.htm
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2015/10/IMG/60pau100_01.jpg
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2015/10/60pau103.htm
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2015/10/DATA/60pau100.pdf

 > アンケート回答者属性

 > あなたが重要と考える都市計画道路の機能を次の中から4つまで選んでください。(4MA)(n=479)
 > 都市構造・土地利用の誘導形成機能(都市の骨格を形成するとともに、土地利用の方向を決めていく機能) 11.7%
 > 街区形成機能(一定規模の宅地を道路で区分し、街区を形成する機能) 10.2%

※調査結果の全体はPDFでの参照が便利です。

 ちょっとサンプルの実像がつかめず(基本的な属性の、クロスしてないのしか示されておらず)なんともですが、「いま重要!(いまでしょ!)」といわれているものを選びました、ということに過ぎず、「Land used」も「City subdivision」も本質的に不可欠な機能であると…我々わかっていなければなりません。

※Sと呼ばれるゲームでは「災害防止機能」「公共交通のための導入空間機能」「供給処理・通信情報施設の空間機能」「生活空間機能」も模擬できているといって、道路使用許可のほうなど申請されながらモクモクの煙でごほごほしながら花火でゴミがどっさりですと? …とんでもない。(あくまでSと呼ばれるゲームのイメージです! 道路で花火ができて超高層ビルが火事になる国なんて実在するわけが…もっとごほごほ。わあい青い空!! 「ミー散乱」については[3298]をごほごほ。)

・Google ストリートビュー 「都道12号線」(東京都調布市)付近ほか
 https://goo.gl/maps/1HEHmBYHpNC2
 https://goo.gl/maps/t8yrcH5k2So
 https://goo.gl/maps/bEKE29meYU92
 https://goo.gl/maps/3VrtYQNKNiB2
 https://goo.gl/maps/FnuGD6F5tvN2
 https://goo.gl/maps/8NoeKf2EHeT2

※東京都の写真は、「神代植物公園前郵便局」が入る建物の屋上から撮影…と推定してみました。本当でしょうか。JR中央線との交差部では道路の路面が掘り下げられた感があるようなないような。そして都県境で(埼玉)県道24号線につきあたってですね(略)。都道府県ごと(市町村ごと)に計画していてはどうにもこうにも都県境(や市境)がですね(もっと略)。千葉市と習志野市のソレについては[3162],[3357]を参照。

・ウィキペディア「計画都市」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%88%E7%94%BB%E9%83%BD%E5%B8%82

 16歳以上といって、その実、こういう数学を計算機も使いながら高校でですね(略)。16歳のかたに重いコンダーラと呼ばれる過大な期待を…ゲフンゲフン。(たいへんメッソウでございました。)

・「トラフィック・コンフュージョンII」(2001年10月27日)
 http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/011027/n0110274.html
 http://www.vector.co.jp/magazine/softnews/011027/images/n01102741b.gif

 > 通行量がすごく多いのに青信号の時間が短かったり、案内版が見えづらいために変にまごまごする車が続出したり、右折専用信号がないために右折車線がいつも渋滞を巻き起こしたり…。

 わあぃ右折レーン! ***右折レーン**き! といって、右折レーンしか見えなくなるキミは***ですぞ★。「右折レーンの増設・延長!」([3151])とさえいっておればぎゃふん。わあぃプロと呼ばれる**の技術職員っ! 街じゅうの道路が右折レーンだらけだっ。…なんだかなぁ。(たいへんメッソウではございますが、そういうプロになってしまわないように手広く学び続けるというのが、これからの時代のプロですぞ@たぶん。)

・(参考にしたかったのだけれどなぜか参照できないですぞ)
 http://repository.tufs.ac.jp/bitstream/10108/63681/1/mlcj501004.pdf

・(代わりといってはなんですが代わりに参考)
 http://arch.luke.ac.jp/dspace/bitstream/10285/5834/2/2010010-gakkai14(1)-5834.pdf

 > 「**教育で克服してほしいと思うのは、基礎知識/応用/現場などの段階性です。基礎があって、基礎を修得したから応用という知識の段層性の考え方を、最初の一から状況的だというふうに転換していただくと、話は変わってくるんじゃないか・・・」

 最初からぜんぶ見てじぶんで考えなさいといいつつ、放り出すのではなく手厚くチュートリアルしつつ、「教科書と違うじゃないか!」などと憤慨しているヒマがあったら、じぶんで教科書を書きなさい(≒じぶんが見つけた事実や方法などを論文にまとめて発表しなさい⇒やがては教科書になりましょう)…などと(略)。えっ? そこまでいってませんって? …や〜だなぁ。そして、どこまでいっても「省察ですね、わかります!!(°∀°)彡」と目を見開いてですね(略)、わざわざ時間をとって集まりさえすればぎゃふん(わたしたち省察してます!@わあぃステキな省察でしたっ、はい次のかたどうぞ)。それではいかんのですよ@論文をまとめるのは本質的に孤独な作業ですぞ★。


この記事のURL https://neorail.jp/forum/3358/


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