(約8000字)
[3512]に対応して、こんどは「食味計」を疑ってみます。(恐縮です。)
・香川県「お米の辞典」
http://www.pref.kagawa.lg.jp/seiryu/k02okome/jijou/miryoku/miryoku.htm
http://www.pref.kagawa.lg.jp/seiryu/k02okome/jijou/miryoku/sozai/miryoku_illu3.gif
> お米は、体のエネルギー源となる77%の炭水化物と7%のタンパク質が主な栄養素ですが、このほかにも、ビタミン類、ミネラル、食物繊維などのいろいろな栄養素が含まれています。中でも、タンパク質は牛肉や牛乳と同じくらい質が良く、体に必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
> 科学技術庁資源調査会「五訂日本食品標準成分表」(100g当たり重量)
> たんぱく質 6.1g
> ビタミンB1 0.08mg
> ビタミンB2 0.02mg
> 脂質 0.9g
> 炭水化物 77.1g
> 食物繊維 0.5g
> 水分 15.5g
> その他
100gから引き算していくと「その他」が-0.2gとか…えーっ。ま、ほとんど0なのが「その他」であるとうかがわれそうです。
・「機器による米の食味評価値と品質・成分との関係」(2015年3月18日)
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0909/documents/1_bunnseki.pdf
> 味度値は整粒比(玄米品質)との相関係数が最も高かった
(わたし、間違ってるかもですけど&早とちりかもですけど)相関係数って、そういう使いかたをするものでしたっけ? 図1と図2を描くための元データを直接じぶんでも触ってみたいという欲求にかられます。(※あくまで欲求です。)
> 「彩のかがやき」について、味度値を目的変数、玄米品質、タンパク質含量を説明変数として重回帰分析を行ったところ、以下のような予測式が得られた
(同じく、わたし、間違ってるかもですけど&早とちりかもですけど)重回帰分析って、そういう使いかたをするものでしたっけ?
> 近赤外分光法を測定原理とする食味計の評価値
いろいろすっとばして「食味値」をそのまま使うというのも、かなり一面的なのではないかなぁ。本当でしょうか。そもそも食味計というものは、何をどうやって測るものなのでしょうか。糖度計みたいなののお米バージョンでしょ? …ゲフンゲフン。緑黄色野菜の色の濃さみたいなことしかわからないんでしょ? …本当でしょうか。(※あくまで[3512]を含め、静岡製機さんなど参照する前の認識です。)
デバイスとしては浜松ホトニクスさんなどのきわめて高度なメーカーがモジュールを発売し、これをてきとー…いや、まあ、浜松ホトニクスさんから見ればてきとーだと見えるかもしれない…ゲフンゲフン…な感じに組み込んで「350万円!」というのが、評価式すらも統一されず各社からなんとなく発売されている食味計であるのだと、最も厳しく疑う場合は、そのような見かたをせざるを得ないかと思いました。…いえ、ま、機械で測定できる範囲の食味が測れればじゅうぶんなんですからね、これくらいの装置でいいんですよ、たぶん。あとは食味計を使う側と、コメを買う側の「学問的エレガンス」([2992])の程度が問われるということになってきます。…ギクッ。『食味計を使っていますので科学的です!(キリッ』…とんでもない!
・[3401]
> 何でもかんでも「和牛ですから安全です!」…いえ、『「ねまわしくん」にかけたので合理的です!』というのでなく、「算術平均でいいんです!」「最小値と最大値で場合分けすれば十分です!」([3027],[3097])と自信を持って言える、わたしたち、そこからだと思うんですよぉ。
・やっぱり静岡製機「食味分析計資料」
http://www.shizuoka-seiki.co.jp/ss-wp/wp-content/uploads/6b8145e5e207ad9e3af7a02c187bf1312.pdf
必ずPDFを直接、参照いただくという前提で、しかし、どの部分を見てほしいのかということは示さなければならないので、以下に示します。
> スコア
> 当社の食味分析計では、上記食味官能値のうち「総合評価」をスコアとして表示しています。
機械なのに官能評価の「総合評価」を示すといっています。いえ、いいたいことはわかりますけど、文章上は矛盾していて意味不明です。
> 当社が食味分析計の研究を始めた当時、1987年産の滋賀日本晴を基準としてスコアを70点としました。日本全国のお米を測定すると、作柄によって変化しますが、概ね40−95点の範囲に分布します。
> このスコアは永年にわたるお米の食味研究に基づく当社独自のものですから、他社のいわゆる食味計と比較した場合、同様な値が得られるとは限りません。
…なんだかなぁ。きわめてなんだかなぁ。実になんだかなぁ!(棒読み)
> 測定値の目安
各測定項目が「適正」「普通」の範囲にあれば60〜70点となり(※すべて「どまんなか!」なら65点になり)、そこから外れると点数が動いていくという、本気でリバースしようと思えば簡単にリバースできるのではないかと思われそうな、(各項目を正規化して?)単純に幾何平均でもしているような感じなんですかねぇ。「式」そのものはどこにも書かれていませんけど、40Wで動く(うちハロゲンランプが大部分を占める)ちょっとしたマイコンの、きわめてささやかなROMに書ける程度の、まあ、そういう式なのでしょう。たぶん。
・YouTube サタケですけど&「MS Pゴシック」っぽいですけど
https://youtu.be/LtLbbheKNRo?t=1m3s
かえってCPUやROMがリッチになれば、こんどは特定のコメだけナイショでゴニョゴニョする不正の余地が出てきてしまうと、こういうわけです。サタケさん(に限らず)を疑う具体的な何かがあるわけではありませんが、何の規格にも準拠していない以上は、食味計のおおせのままに(=どんな「食味値」を出そうともサタケさん(に限らず)こそが正しい)、ハハー! 我々はまったく占いやまじないのレヴェルにあるというわけです。…これはいかんなぁ。(棒読み)遡って、1985年の時点で、そういうおこがましさを既にはらんでいた(…そんなことは考えたこともなかったヨ! おっと8時だヨ!)と、これはいまからでも気づいていただかないといけないのですよ。
・「おこがましさ」
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%84
だれの許し([3387])があってキミぃ(略)JASでもないのにJAがこぞって使う(=後世そのようになる=現になった=)「食味値」などというものをだなぁ(略)、の意。
・「有機JAS認定産米のδ15 N値と食味値による品質評価について」日本土壌肥料学雑誌 Vol.74 No.6(2003年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dojo/74/6/74_KJ00000888979/_article/-char/ja/
疑っているのは「食味値」(スコア)だけですので、あしからず。個々の(生の)測定値のほうは、(正しく検定さえすれば)そこそこの精度なのだろうといって、さほど疑いません。そして、この、個々の(生の)測定値を簡易に測定できる機器として、とても有用であるということ自体は揺らぎませんので、なおあしからず。
・[3387]
> > Who gave you (the) authority to do this?
> > だれの許しがあって君はこんなことをしたのか.
> 「substantial」とあわせ「実体のある許認可」とでも訳せば、なるほど、公的な資格認定制度の設計や学習指導要領の改訂を取りまとめる仕事、「性能規定化」など、そういうソレが具体的に思い浮かんできますね。
「秤<はかり>」というものを製造する責任は、とてつもなく重いのですよ([3107])。
・[3476]
> 「九州産業交通への存続の要望書(火山学会)」
> > 火口映像は学会発表や学術論文などとして公表され、熊本放送のホームページにも利用されています。
> そういう重みを正確に承知なさっておられるのかどうかが傍目にはよくわからない感じに「火口カメラさえ維持しておれば文句ないんでしょ」的な態度があるとしたらメッソウですのう。
・[3126]
> > > いまだに、何をしていいのか決まっていないんです。
・[3334]
> 「自分から独創的と書いたりしないこと」(2010年11月3日)
> 「nanacoカードの所有権は、当社にあります。」といわれながら「○○研究所 財務部自由研究協力課 コピーカード」などとテプラしてですね…ゲフンゲフン。雰囲気、出るじゃないですかぁ。レッツ首から提げたコピーカードっ!
> 自由研究と呼ばれる(中略)「研究員ごっこ!」を存分に楽しむがよいぞ!!
> こう、『お姉ちゃん風!』を吹かせたがるお子さまには、このくらいの金額までなら「スタイルから入る!(できる研究員ごっこ!)」を許してもいいのではないでしょうか。(棒読み)
> 外見をまねた次は、言動もまねてみよう。おおーッ!!
> ただのノイズよ。ええ、ノイズに違いないわ。××度を上げて○○してちょうだい。(ピシャリ)
> 本当かしら。データをもう一度よく確かめてみて。(ピシャリ)
> たいていの思いつきは既に誰かが試しているものよ。(ピシャリ)
> 遊び半分で「まね」から入っても、結局、研究の核心をつく(つかれる)セリフであることに変わりなく、の意。
・[3490]
> わあぃ「驚いた!今時まだそんなことしてるんですか!?」と大笑いしながら下請けや取引先にSD法の手ほどきを…ゲフンゲフン。
> 「じぶんも美術をたしなむんでいわせてもらいますけど」みたいなひとが、いちばんいかんのですよ。(棒読み)
・リコーの見解です
https://industry.ricoh.com/font/knowledge/fontknowledge01.html
・(一財)日本穀物検定協会「農産物検査法に基づく米麦の成分検査」
http://www.kokken.or.jp/inspect01_04.html
> 昭和27年の設立以来、公正な第三者検定機関として
昭和27年は1952年です。
> 当協会は、食品衛生法に定められた登録検査機関として、残留農薬の分析等安全性検査をはじめ、DNA分析による米の品種判別や、大豆の遺伝子組換え検査などを行える最先端の施設・機材・人材を備えております。
当然ながら、簡易な「食味計」での測定値は、登録検査機関での分析の代わりにはなりません。測定器の検定(精度の保証)がどれだけたいへんなことかといってだなぁ(略)…そこからですかっ。
・(参考)群馬県立産業技術センター「測定機器の精度保証と持ち回り測定」
http://www.tec-lab.pref.gunma.jp/info/etc/seeds/keisoku5.html
> どんなに精度の良い測定機であっても、測定機器自身が正しい測定結果を示しているということが保証されなければ、先ほどの良不良の判定が何の意味も持ちません。また、測定機器は正しい測定結果を示す能力があったとしても、測定手法が間違っていてはこれも意味がありません。つまり「測定」とは、測定機器自身の精度が保証され、かつ適切な測定手法が採用されて初めて確立されるということになります。
・(一財)日本穀物検定協会「官能評価」「理化学試験」
http://www.kokken.or.jp/test01.html
> 理化学試験
> 鮮度判定、アミロース、たん白質、ヨード呈色度、物性試験として米の粘弾性特性を調べるアミログラフ等を行っています。
当然ながら「理化学試験」では「スコア」など算出しません。
> 官能評価
> 以下の6項目に関して比較評価する相対法により行います。
> 総合評価
> 結果の判定 基準米と各資料の平均値の差の優位性によって結果を判定します。
※「資料」「優位性」は原文ママですが「試料」「有意性」ですね。
こちらは「総合評価」というものを人に聞くという評価法でございます。聞いた数字を後から総合するのではありません。最初から「総合」として数字を聞くのです。…ま、それが官能評価というものですよね。
・つまり「t検定」
https://ja.wikipedia.org/wiki/T%E6%A4%9C%E5%AE%9A
> 2組の標本について平均に有意差があるかどうかの検定などに用いられる。統計的仮説検定の一つ。日本工業規格では、「検定統計量が,帰無仮説の下でt分布に従うことを仮定して行う統計的検定。」と定義している。
へぇー! t検定って、JISになっているんですね!!(※意外と知らないです! たぶん!)
・[3330]
> 統計数理研究所「共同研究スタートアップ」
> > t検定について ****/鉄道総研
> 詳細を伏せた結果、やさしそうなテーマに見えてしまうということもあるかもだ!
鉄道総研が「t検定」について、わざわざ統数研に相談してまで解きたい問題って、いったい、どんな問題なんでしょうねぇ。
それはともかく、基準米の評価値と、供試米の評価値という2組の標本について(ほかの複数の銘柄との比較でなく、各々に基準米との間で1対1の比較なんですよ、の意←ここ、テストに出ます!)、評価値の平均に有意差があるかをt検定で確かめるということですね。
その結果としては、▼「有意差がある(基準米を明らかに上回る)」、▼「有意差がある(基準米を明らかに下回る)」、▼「有意差がない(基準米と見分けがつかない)」という、3つのいずれかに分けられるというわけです。これが、食味の官能評価における各項目ごとに行なわれる操作で、6項目のうちの1つ「総合評価」も、このようにして、基準米との有意差だけが明らかにされると、このように理解しました。ここまでよろしかったでしょうか。たぶんよろしいのではないでしょうか。(…えーっ。)
・クボタライスインダストリー「86点」の印字例です
http://kubota-rice.com.sg/shared/img/qc/qc-img04.jpg
http://kubota-rice.com.sg/qc/index.html
> ハクマイ
※玄米と白米で基準が異なるとの説明でございます。
> 水分 15.1%
> タンパク(実成分) 5.5%
> アミロース(参考値) 17.0%
> 食味値 86点
> ランク A
実際のコメではなく模擬データかも知れませんけど、なるほどなるほど、(水田の管理とともに、極端には精米時に)「タンパク質」を極端に下げさえすれば点数がはねあがることが想像されます。もちろん、それで実際に食味が(「食味値」に見あって)有意に向上するのであれば、問題ないのです。
・「高品質米(低タンパク質米)の栽培技術」農業機械学会誌(2005年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsam1937/67/1/67_1_4/_pdf
> 炒飯することにより
えっ…炒飯しちゃいます? 炒飯、しちゃいますぅ!?
> 同一品種を対象とした町村単位での食味の差異はタンパク質含有率がその大部分を支配しているとする結果であり,
> 北海道米の米産地は広域で多くの土壌型をかかえることから,食味の不均一性が大きく,
> タンパク質含有率が6.5%以下と低く,品質変動の少ない「売れる米づくり」が課題となる。
> 稲が吸収した窒素の玄米生産効率(玄米収量を窒素吸収量で割った値)と,負の相関を示す。
もともとの土壌の窒素放出量と、追肥の時期の管理で決まってくるとの説明でございます。
> 白米中では,施肥窒素から20〜30%,残り70〜80%が土壌由来の窒素
「図2」では6.5〜7.5%の範囲に分布しています。しかし、本文中で「図2」の参照がないという致命的なエラーでおなかが痛い! どこに「図2」の説明があるのかと探しますと、ここでしょうか。
> 白米中のタンパク含有率は窒素の玄米生産効率が60kg以上で6.5%以下,40kg以下で8.0%以上である。
うーん。(点が重なっていないという前提では)27個ほどの点がプロットされているように見えますが、27個の点で回帰直線(しかも直線=何も疑わずに直線)を引こうというのは、大丈夫なんでしょうか。(※貴重な27個のサンプルであることはわかります&簡単には増やせないのもその通りでございます⇔しかしサンプルが少ないのに無理して回帰直線を引こうというのはアレかなぁ、の意。)
> このことから,低タンパク質米は吸収した窒素を効率的に使用して玄米を生産しているものと思われる。
うーん。「玄米収量を窒素吸収量で割った値」という指標って、もともとは何かほかの目的で考え出された指標だったりしませんか? タンパク質含有率(しかも玄米でなく白米)と見比べるときに、本当にそのまま持ってきていい指標なんでしょうか。最終的に着目するのは白米のタンパク質含有率でも、「玄米収量を窒素吸収量で割った値」と比べるときには玄米のタンパク質含有率じゃないと、よくわからなくなったりしないでしょうか。本当でしょうか。
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