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返信という体裁をとりながら、実は単に私の頭の中のゴチャゴチャをそのまま書いているという状態になってしまって申し訳ないのですが、八王子について一度まとめます。
なお、[2358]で「発車標仮設BOX」について触れています。(この時は、今回と似たようなボックスに「発車標仮設BOX」というテプラがデカデカと貼られていましたので、趣味な界隈でも呼び方に困りませんでした。)
・[2917]
> 古い表示機のハードをそのまま活用した例も多く存在するようで、どうなるかは分かりませんね。
> 横浜線の他の駅では、仮設ボックス(と界隈で呼ばれている白い箱)が表示機の近くに設置されたところもあり、どのように更新していくのかちょっと分からないです。
一例として、八王子みなみ野が旧型の電光掲示板かと思いますが、番線ごとに1台(上下線で兼用されていない)の設置となっています。新しい電光掲示板が設置されないまま、古い電光掲示板の真上に仮設のボックスが設置されたのであれば、そのまま、ATOSの導入にあたっては電光掲示板の置き換えは行なわれないということになります。
八王子について、失念していましたが改札口、コンコース(乗り換え通路)にも多数の24ドットタイプの電光掲示板が設置されています。これらについては、以下のように考えられます。
・(A)ホームで新設された電光掲示板が16ドットタイプである場合
新型であるか旧型であるかを問わず、改札口などの24ドットタイプの電光掲示板はすべて、16ドットタイプに置き換え
・(B)ホームに新設された電光掲示板が24ドットタイプである場合
改札口などの24ドットタイプの電光掲示板はそのまま使用。仮設のボックスが設置される(はず)
※逆に読み解けば、改札口の電光掲示板に仮設のボックスが取り付けられたら、ホームに新設された電光掲示板は24ドットタイプだということですね。
八王子では、中央線のATOSの更新も関係してきますので、かなりややこしい状況です。最終的には、八王子の駅装置が一体的なものになるのか、あくまで中央線の駅装置と横浜線の駅装置が切り分けられたまま(現状のまま)になるのかも、ちょっとわかりません。これには、横浜線と中央線の間のわたり線や、貨物関係の線路などが、何か変更になるのかならないのか、といったこととも関係してきます。
※ゾッとするくらい依存関係が複雑で、他にも何か見落としていそうです。
相模原市が要望している相模線・横浜線の中央線(相模湖方面)への直通も、実現には八王子の線路をいじる必要がありますが、うまく時期が合えばすんなりと、時期をはずせば15年は待たされることになろうかと思います。
宇都宮線・高崎線へのATOS導入時に上野が後回しになり、上野は常磐線へのATOS導入時にやっと、ATOS駅装置が稼動したという経緯もあります。逆に、川崎では、京浜東北線へのATOS導入時に、南武線も含めた駅装置が構築されています。
八王子では、中央線へのATOS導入の時点で、横浜線、八高線ともCTC導入済みであったため、中央線に関係する線路のみを対象としたATOS駅装置が構築されたのではないかと思います。いまになって、同じATOSなのに中央線と横浜線で駅装置が別々になるかもしれないというジレンマが出てくるのは、しかたのないことです。とはいえ、できれば将来的な直通運転にも資せるような、おかしな制約を残さないシンプルな状態になっていくとよいのですが、はたしてどうなるでしょうか。
まさか、とは思いますが(※)、横浜線の電光掲示板(ホーム、改札口とも)を現行の中央線のATOS駅装置に連動させる形で早期に使用開始する、あるいは、八王子のみ別のスケジュールで、八王子の駅全体を一つとする駅装置を(中央線のATOS更新にあわせて)構築し、横浜線の線区別ホスト(線区中央装置)の稼動を待たずに八王子の横浜線ホームだけ先にATOS連動の旅客案内が使用開始になる、といった可能性もなくはありません。
※なぜ「まさか」なのかといいますと、通常、工事はミスを避けるために、なるべく局所的に切り分けていくのが通例だからです。とはいえ、上述のように八王子が一つに、いわゆる「ワン八王子」になったほうが都合がよい話(「ワン相模原」とでもいうべき、地元の要望)もありますので、どちらのほうがより費用対効果に優れるのか等、部外者ではわからない詳細な検討を重ねた上で、どうするかが決まっていくのでしょう。
当面は、「製作票」に記された「数量」の通り、計6台が新設されるだけでしょう。階段を下りたところに電光掲示板がなくて戸惑う箇所があったかと思います。3箇所目はそこですね。工事の「件名」には「発車標改良他」と記されているように読めますので、新しい電光掲示板と干渉するほかのサイン類の移設も、必要な箇所で行なわれると見られます。
以下は余談になります。
・広がるATOS/主な動き(2005/10/4、更新できておらず申し訳ありません)
http://atos.neorail.jp/atos2/chronology/chronology_1.html
埼京線の渋谷・恵比寿(1996年3月)、常磐線のひたち野うしく(1998年3月)に挟まれた時期に開業したのが八王子みなみ野(1997年4月1日)であるわけですが、なぜ八王子みなみ野では旧型の電光掲示板が設置されたのか、いまさらながら興味がわいてきます。渋谷・恵比寿は山手線の駅(2年後の1998年にATOS導入)でもありますので別として、ひたち野うしくでATOS駅装置がスタンドアローン(ネットワークに接続しない、駅単独での動作)で使用開始になった(当時)のに、八王子みなみ野はそうならなかったわけです。
※なお、1996年3月には八高線の八王子−高麗川間が電化されています。
厳密には調べていませんが、八王子みなみ野は、開業時に旧型の電光掲示板が設置された最後の新駅、かもしれません(関東に限ります)。さらには、旧型の電光掲示板の最終のロットかもしれません。(どうやって確かめればよいのでしょうか?)
※趣味的におもしろそうですが、労して得るところ少なそうな気もします。
そして1998年には、多くの駅に新型の電光掲示板が設置され(東海道線の各駅や鎌倉などが、この時期の設置だと思います)、[2916]で挙げましたようにグッドデザイン賞を受けています。いま、多くの駅で標準的に設置されているのは、みなさまご存知の通りでございます。16年経っても、まったく古くささを感じさせないところは、さすがです。
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