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2004/10/13(水) − 2005/12/24(土) 追記

【相互乗り入れ】 JR東日本・東武、2006年から直通特急を運転

 JR東日本と東武鉄道は4日、新宿駅と東武日光・鬼怒川温泉駅を結ぶ直通特急の運転を2006年春に開始すると発表した。両線が近接する栗橋駅に接続線(連絡線)を新設し、池袋・大宮・栃木・新鹿沼・下今市に停車する。実現すれば、地下鉄を除く大手私鉄とJR東日本の間では初の相互乗り入れとなる。また、宇都宮線(東北線)の大宮−栗橋間で新たな定期特急列車が設定されるのは、寝台特急を除くと新幹線開業後では初となる。

 相互乗り入れでは両社が車両を用意する必要があるが、JR東日本は183系を改造して投入するという。時期的に房総特急のE257系置き換えに伴う余剰車が使われることが考えられ、イメージ図からは485系(「白鳥」「はくたか」等)と同様のFRPによる前面補強等が施工されるものと見られる。

 JR東日本では、宇都宮線へのATOS導入が2005年度中に完了する予定であり、直通運転に間に合う計算になる。一方、東武鉄道ではPRCが導入済み(※)である。このため、それぞれ複雑なダイヤを抱える両社であるが、直通特急の運転に際し特に支障はないものと見られる。

 日光・鬼怒川へのアクセスでは東武が優位性を持つが、本線(伊勢崎線等)はJRのターミナルからはアクセスしにくい浅草発着であるため、対都心の利便性は不足していた。一方、JR東日本では線形が良くないことなどもあり所要時間が長く、都心から日光へ直通するのは団体列車に限られていた。

 観光路線を巡っては、箱根で小田急バスと西武バスが提携するなど、会社間の競争より観光客の利便性を追求する動きが見られる。JR東日本と東武鉄道の今回の発表も、この流れに沿ったものといえる。また、設備投資に多大な費用をかけることなく利便性が向上でき収入増が見込めることから、短期間で実現する運びになったものと思われる。

※東武東上線では2002年に東芝の運行管理システムが導入されている。本線でも新システム導入が計画されている可能性もある。

参考資料

JR東日本と東武鉄道のプレスリリース
日本信号『第118期事業報告書』「北越谷駅継電連動及びPRC装置」
東芝『列車制御システム』「東武東上線運行管理システム」




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