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2005/8/6(土)

【埼京・川越線・山手貨物線】 線区別ホストが稼動

 7月31日、埼京・川越線と山手貨物線を対象とするATOSの線区別ホストが使用開始になった。2日、交通新聞が報じた。

 線区別ホストが稼動すると、実施ダイヤの把握とダイヤ回復支援機能(指令卓でのダイヤ変更入力、各駅の出発時機表示器)の使用が可能になる。旅客案内装置がATOSと連動している駅では、電光掲示板に他線区の運行状況を知らせるメッセージが流れたり、ダイヤが乱れても表示が消えないようになる。

トラブル相次ぐも、ほぼ予定通りに

 毎日新聞の報道によれば、6月13日午後6時50分ごろ、新宿駅にある埼京線のPRC装置が、湘南新宿ラインの列車番号を認識せず、後続列車として誤表示するトラブルがあった。後続列車の番号を手動で再入力したという。インターネット上での目撃情報を総合すると、同日には南与野で自動放送が簡易型に切り替えられていたほか、戸田公園のみ出発時機表示器のテープが剥がされていた。ATOSへの移行に向けた何らかの作業中に不具合が発生した可能性もある。

 また、交通新聞の報道によれば、線区別ホストの使用開始に関連する切り替え作業は当初、7月23日深夜に予定されていたが、東京都足立区で震度5強を観測した地震の影響で一週間延期されたという。

初のPRC置き換え、安全追求の「節目」にも

 埼京・川越線では、埼京線の開業時からPRCが使用されていた。ATOSは、CTCもPRCも導入されていない「非システム化線区」への導入が優先されてきたため、PRCからATOSへの移行が行なわれたのは今回が初めて。今後、他のPRC使用線区への拡大がないかどうかが注目される。

 山手貨物線で1998年2月に起きた作業員死傷事故は、保線作業時の安全確保に多大な教訓を残した。ATOSでは線路閉鎖の手続きが簡単、確実に行なえ、同様の事故を防ぐことが期待されている。また、事故後に設置された出発時機表示器は原則としてホーム側になるなど、極力「線路に降りる工事」が控えられている。同線へのATOS導入は「安全の追求」という面でも一つの大きな節目となる。





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