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2005/9/22(木)
【つくばエクスプレス】 PTCと「出発抑止表示器」を採用8月24日、秋葉原とつくばを結ぶ新線、つくばエクスプレス(TX)が開業した。 同線を運営する首都圏新都市鉄道は5月23日、運行管理システムの概要を公表した。それによれば、保安装置としてATC(自動列車制御装置)、運転支援装置としてATO(自動列車運転装置)を採用するほか、守谷の総合基地内にセンターを設けたPTC(プログラム式列車運行制御装置)を構築し、全線の監視にあたる。 また、指令と運転士との間の連絡は列車無線により行なうとしている。一方、各駅には「出発抑止表示器」が設置されており、異常時には自動的な情報伝達を行なうことで指令の負担軽減を図るものと見られる。 「枯れた」技術のシームレスな結合が「強み」研究都市の名を冠することから先進的なイメージが先行するつくばエクスプレスだが、実際に使われている技術を見るとさほど斬新ではない。むしろ、現時点で定評のある技術やノウハウを余すところなく採用し、安定感のある構成を実現していることが「強み」といえそうだ。 PTCは、地下鉄や私鉄を中心に広く導入されている実績のあるシステムである。JRでいうところのPRCに相当する。基本的には順番通りにポイントを切り替えるもので、運転整理の支援といった高度な機能は組み込まれていないのが一般的だ。 ATOは営団地下鉄(現在は東京メトロ)南北線で本格的に採用された後、改良が進められてきた。TXにおいて130km/h運転に対応したのは、一つのゴールといえる。報道によれば開業初日に雨でスリップした模様だが、安全に関わる重大な問題はないと見て差し支えないだろう。 ATCは、地下鉄等では当たり前のように採用されてきた。JRではATS-Pの導入拡大が話題になっているが、ATS-Pも「ATCと同等の機能を持つATS」という扱いだ。ATCが取り立てて目新しいものであったり、格段に高性能であったりするわけではない。 とはいえ、これらの技術は「安全」で「快適」な鉄道を実現するのに大変有効だ。個々の技術がそれぞれ必然性を持って採用されており、それゆえ全体としても強固な結びつきを生み出しているといえる。
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