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2010/3/13(土)2014/9/16(火) 掲載

【横須賀線】 武蔵小杉に横須賀線ホーム、成田エクスプレスも停車

ICカード出改札システム、改修に約17億円。南武線との連絡通路に「動くスロープ」、同社初。

 2010年3月13日、南武線の武蔵小杉に新設された横須賀線ホーム(以下、新駅)が使用開始になった。横須賀線、湘南新宿ライン、特急「成田エクスプレス」の全列車が停車する。南武線ホームとの間に距離(230m)があることから、「動く歩道」および「動くスロープ」を活用した連絡通路が設置されている。

 新駅の設置は、2005年4月に正式に決まり、2006年5月に着工した。東海道新幹線と並行していることなどから一部の工事が遅れ、2010年3月13日には、一部を暫定の施設として開業していたが、2011年6月25日に、横須賀線ホームと南武線ホームを結ぶ連絡通路が完成、2014年3月30日に、横須賀線ホームに直結する新南改札(横須賀線口)に面した東口駅前広場が使用開始になり、一連の工事が完了した。

 新駅の概算工事費は、工事の施工協定の段階(2006年10月)で約168億円。うち約17億円がICカード出改札システムの改修などにかかる費用とされ、▼川崎市が約86億円、▼住宅事業者が60億円、それに▼JR東日本が約22億円を負担するとされていた。その後、工法の見直し、資材の高騰、工事の遅れにより暫定施設を整備することになったことなどから、追加の費用が生じたとされている。

 既存の駅間への新駅設置とは異なり、武蔵小杉は自社線の間での新たな乗換駅となるため、運賃算定の基準となる最短経路が短縮される駅の組み合わせが多数生じる。例えば、武蔵小杉−品川間の運賃は、川崎を経由する場合の290円から160円に下がるほか、武蔵小杉−横浜間も290円から、東急線を利用した場合と同額の210円になる。乗換駅の新設は影響が広範囲に及ぶため、便益の算定が困難になる。

JR東日本初の「動くスロープ」

 「動く歩道」は、東京駅の京葉線ホーム、渋谷駅の埼京線ホームへの通路でも使用されているが、JR東日本管内で「動くスロープ」が採用されたのは武蔵小杉が初めてである。ベビーカー・車いすでは使用禁止とされ、スロープと並行して水平な通路およびエレベーターが設置されている。

 2014年7月現在、連絡通路がほぼ直角に曲がる箇所では、カタツムリのキャラクターが走らないように呼びかける、ユニークなポスターが連続して掲出され、注意喚起が行われている。


リンク

・公式発表
 → 川崎市
   「市長記者会見記録」(2005/4/4)
   「「JR横須賀線西大井駅・新川崎駅間武蔵小杉新駅設置工事等の施行に関する協定書」の締結について」(2006/10/27)
   「市長記者会見記録」(2009/6/18)
   「JR横須賀線武蔵小杉新駅について」(2012/10/12)
 → JR東日本・東京電気システム開発工事事務所「横須賀線 武蔵小杉駅・湘南新宿ライン信号設備簡素・統合化」

・参考
 → 土木学会「横須賀線西大井新川崎間武蔵小杉新駅設置計画について」(2005/11)
 → 武蔵小杉ライフ「JR武蔵小杉駅のカタツムリ君が、時速4kmのゆっくり歩行を呼びかけ中」(2013/11/15)


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 → 横須賀線
 → 南武線




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