→ E231系試運転における旅客案内
偶然遭遇したE231系の試運転。写真とともに、試運転の電車が放送や電光掲示板でどのように案内されたかをレポートします。
E231系、営業運転開始を前に試運転続く
E231系は、総武緩行線で主力の103系、201系老朽化に伴い、これらを置き換えるために新製された車両。1999年度分として、現在までに3編成(ラシ101〜103)が習志野電車区に配属された。通勤型車両としては初めてVVVF制御にIGBT素子を採用し、最高速度は近郊型と同じ120km/h。編成全体を管理する情報システム「TIMS」を量産車として初めて搭載する。窓には紫外線を90%カット(従来は60%)するガラスが使われており、内部の白い面が、外からは緑がかって見える。営業運転は2000/3/13から始まる予定だ。それを前に、2/29頃から連日、津田沼−千葉間を往復する試運転が行なわれている。(朝日新聞、交通新聞、千葉日報)
高速で緩行ホームを通過するE231系
E231系ラシ101編成は、試運転の行程のうち津田沼・幕張・千葉以外の駅は全て通過していた模様だ。稲毛では、「まもなく/1番線を/回送/電車が/通過致します//危ないですから、黄色い線の内側まで、お下がりください」という放送が流れた。同時に、電光掲示板には「電車が通過します」という表示が赤く点滅していた。
普通の電車の場合、「電車がまいります」と「 三 鷹 88:88」の表示が交互に出るのに対し、通過の場合は該当列車が通過し終えるまで点滅しつづけるようだ。そうでないと、何も警告がないことになり危険だからであろう。(撮影した連続写真から時速を計算したところ、約80km/hで通過していたことが分かった。気づかずにホームの端を歩いていると、大変危険である。) |
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1番線を約80km/hで通過するラシ101編成
(稲毛駅、2000/2 撮影) |
ちなみに、総武緩行線で通過列車といえば試運転か試験車、臨時列車しかないため、右の写真に写っている光景はそうそう見られない。 |
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ラシ101編成が通過するまで、ずっと点滅していた
(稲毛駅、2000/2 撮影) |
「 回送 」には/ご乗車になれませんので…
前述のように、他の駅では通過していたE231系も幕張には停車していた。1つ前の電車が発車した後、電光掲示板の表示は「 回送 」に変わった。しばらく待っていると、「まもなく/1番線に/回送/電車が/参ります//危ないですから、黄色い線の内側まで、お下がりください//この/電車には/ご乗車になれませんので/ご注意ください」という放送が流れた。同時に、電光掲示板には「電車がまいります」という点滅表示が出た。
E231系がホームに滑り込んできた。すると、電光掲示板の表示は「 回送 」に戻り、「電車がまいります」の点滅は止んだ。 |
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「回送」も「試運転」も「OUT OF SERVICE」
ドアが開かないため、間違えて乗ることはないが、それでも「ご乗車になれませんので」という放送はとても詳しいと言える。しかし、この放送は入区列車のある駅で流すことを想定したものと思われる。そのため、本当の「回送」ではなく「試運転」の場合は少し合わない感じもする。千葉駅の電光掲示板などでは、わざわざ「試運転」と出るのと比べると、合理的というか、何と言うか…。とにかく、「回送」も「試運転」も、「OUT OF SERVICE」であることには変わりない。その意味で、電光掲示板の「 OUT OF SERVICE 」という表示は極めて的確であったと言える。 |
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