→ 総武線地下区間のATOS/ATS-P関連機器
ATOSの導入が完了し、ATS-Pの導入も近い総武線地下区間。機器を中心に現状を写真で紹介します。
【東京】既設電光掲示板をそのまま利用
東京駅では、以前からホーム(地下5階)とコンコース(地下4階、地下2階、1階)に大型の電光掲示板が設置されていた。ATOS導入に際して電光掲示板が交換される可能性もあったが、既設の電光掲示板が現在もそのまま使われている。同じ東京駅の京浜東北線ホームのように、電光掲示板が故障するまで使われつづける可能性が高い。
ホームでは、ATOS導入の前後でほぼ同様の表示になっている。(右の写真:上がATOS導入前、下がATOS導入後。)電光掲示板本体の「種別」「時」「分」などの表記もそのままである。
特急列車の表示では、錦糸町などから使われ始めた交互表示の応用で、一度に表示される情報が少なくなった。その分、余白が多めで見やすくなっている。 |
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【新日本橋】新設、詳しい方面表記
総武線・横須賀線地下区間では、馬喰町・新日本橋・新橋で新たに電光掲示板が設置された。ATOS線区の駅で一般的な型の電光掲示板であるが、方面の表記が非常に詳しいのが特徴だ。
千葉方面の表記は「津田沼・千葉・成田・大原・木更津方面」となっており、総武線(快速)だけでなく総武本線・成田線・外房線・内房線への直通を考慮している。 |
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(新日本橋駅、2000/2 撮影) |
一方、逗子方面は「東京・横浜・横須賀・久里浜方面」となっている。鎌倉への観光客も多く利用するが、「鎌倉」という表記はない。 |
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(新日本橋駅、2000/2 撮影) |
【馬喰町】設置・撤去・再設置…
馬喰町では、2000年2月に新設された電光掲示板が後で撤去されたり、移動されたりした。
東京寄りの階段脇に設置された2番線用の電光掲示板に注目すると、右の写真のように設置・撤去・再設置という流れがあった。2000年5月、新設されていた電光掲示板が取り外された時には理由が不明であったが、電光掲示板が別の位置に再設置されている現状を見ると理由が少し見えてくる。
一つは、出発時機表示器の設置位置と重なっていたことだ。最初に電光掲示板が設置された位置では、11両編成の乗務員用出発時機表示器の位置と重なっていた。出発時機表示器の位置は、車両の停車位置によって決まってしまい、位置を変えることはできない。そこで、電光掲示板の位置を変えることにしたのではないかと考えられる。
もう一つは、階段との関係である。馬喰町駅の東京寄りでは、写真で見えている階段に加え、もう一つ奥にも階段がある。いずれの階段から降りても電光掲示板が見えるようにするには、写真で見える階段より手前に設置しなければならない。現状では、どちらの階段から降りても数歩進めば電光掲示板の一部が視界に入ってくる。最初の位置では、写真で見える階段を降りた場合、電光掲示板の存在に全く気づかない可能性もあった。 |
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電光掲示板が撤去されていた期間、該当の位置には支柱だけがぶら下がっていた。電光掲示板の本体がないと支柱自体が不安定になるらしく、赤い針金が巻かれていた。 |
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(馬喰町駅、2000/5 撮影) |
出発時機表示器は
地上区間では地上型、構造物取り付け型、天井吊り下げ型のいずれかに分類できる出発時機表示器であるが、地下区間ではどうなるのだろうか。
5月中旬、馬喰町駅で天井に妙なものが取り付けられているのに気づいた。四角いベース、短いパイプ、ビニールテープで留められたリード線の束…実は、これが地下区間における出発時機表示器の設置方法なのであった。トンネルのため線路際に余裕がなく地上型は不可、天井が低いため天井吊り下げ型も不可、ホームの柱は丸くて太い上、ホーム内側に寄っていて構造物取り付け型も不可。必然的に、このような設置方法がとられることになった。
とはいえ、このような設置方法は新しいものではない。レピーターやITV、それのカメラも、同じような器具で天井に取り付けられている。地下のホームはいろいろな点で最初から地上のホームとは異なっているわけだ。 |
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ATS-Pの機器も設置済み
ATOS導入と平行して、これまでのATCに代わるATS-Pの導入工事も進められている。これは、区間開業時から使われてきたATCが老朽化、高密度な運転や柔軟な輸送管理のネックになっていたためである。また、更新にあたって同じATCではなく、ATCより汎用的なATS-Pを導入することで、車両側機器にかかるコストを将来にわたって抑制する狙いもあるらしい。
ATCでは線路際に信号機が不要だが、ATS-Pでは信号機が必要になる。そのため、信号機の新設が進められている。また、機器間通信用のケーブルや信号機以外の機器類も設置されている。
現在は消灯したままの信号機であるが、青や赤の光が灯る日も近そうだ。 |
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