2005/7/12(火) 公開 |
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・ トピックス→ 蘇我駅の電光掲示板交換とその背景内房線・外房線・京葉線の蘇我駅で、電光掲示板の表示がATOS線区と同様のものに変更されました。現状を写真でご紹介しながら、変更の背景についても探ってみます。 電光掲示板交換でATOS線区と同様の表示に蘇我駅では京葉線内と同様の24ドットタイプの電光掲示板が使用されていたが、2004年10月、一般的な16ドットタイプの電光掲示板に交換された。表示内容がATOS線区と同様であるという大きな特徴がある。
変更の背景を探る
従って、電光掲示板の表示内容、特にドット数が変わったときは、装置の単なる更新ではなく、上位システムに関係する何らかの変更があった、もしくはこれからある、と見るのがよいだろう。 蘇我駅の場合は、京葉線を基準にした運行管理体制から、蘇我駅単独、あるいは内房線側に軸足を置いた体制へと移行しつつあるのではないかと推測することができる。旅客案内の面では、内房線・外房線の案内が京葉線の「おまけ」ではなくなった、ともいえる。 誤解のないように記しておくが、内房線・外房線・京葉線とも、ATOS導入の対象外である。それでも電光掲示板だけがATOS線区の駅と同様の状態に変更されるのはなぜだろうか。 2001年に木更津駅、先日には仙台駅でも、旅客案内がATOS線区と同様のものになるということがあった。これは、電子連動化によるものである。
電子連動に限らないことだが、ポイントの切り替えにおいては列車の発着順序が最も重要である。その情報を把握するコンピュータが用意されると、同じ情報を旅客案内にも使用することができる。このような関係で、連動装置と旅客案内装置はセットで導入されることがほとんどである。(ポイントのない駅で詳しい旅客案内が行なわれないことが多いのも、このためである。) 最近は、ATOS線区で導入するために開発された処理能力の高い新型電子連動装置が、ATOS線区以外でも採用されるようになってきた。これは、「もともと電子連動化の需要はあったが現時点まで電子連動化されていない駅というのは、いずれも比較的規模の大きい駅ばかりである」ということの裏返しである。高密度な運転が行なわれるATOS線区で使える装置は、当然、地方のターミナル駅でも使える。 その結果、新型の電子連動装置とセットで、ATOS線区と同様の旅客案内装置が導入されるということも出てくるわけである。もちろん、装置や旅客案内の「見かけ」が同様であるだけで、「東京圏輸送管理システム」であるATOSとは何の関係もない。
内房線はシステム化されるのかJR東日本の会社要覧によれば、千葉−君津間はCTCもPRCも導入されていない。これは、千葉、蘇我、木更津という大規模駅を抱える上、運転系統が複雑に入り組んでいるため、なかなかシステム化できない(=ポイントの切り替えが自動化されていない)まま現在に至っている、ということであろう。(状態としては南武線と同等であるが。)ちなみに、ATOSによる管理の対象も名目上は千葉駅西端までということになっているが実際は津田沼までで、幕張車両センター(旧幕張電車区)から東側はかなりイレギュラーな状態になっている。 2001年の木更津駅電子連動化を皮切りに、この区間の各駅では自動放送などの変更も相次いだ。「電子連動化=システム化」ではないが、何らかのシステム化に向けてゆっくりと動き出した可能性もある。 利用者にとってはあまり関係のない話に思われるかも知れないが、この区間の輸送管理が完全ではなくともいくらか自動化されれば、総武線(快速)越しに横須賀線や湘南新宿ラインにまで良い影響を与える(少なくとも悪い影響を与えにくくできる)ことになる。想像以上に千葉駅近辺は東京圏の安定輸送を実現する上での肝なのかも知れない。 蘇我駅がこれ以上変化することは考えにくいが、内房線の千葉−君津間には少し注目しておきたい。 |
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