2014/4/26(土) − 2014/9/16(火) 掲載
【武蔵野線】 北朝霞でホーム延伸、混雑緩和のため
JR東日本大宮支社が発表、日本経済新聞が報じた。2014年12月完成予定で、延伸部分には転落防止の「柵」。
武蔵野線の北朝霞で、混雑緩和のため、ホームが10両編成相当の長さに延伸される。JR東日本大宮支社が発表、4月26日、日本経済新聞が報じた。事業費は約2億円で、2013年12月から工事中、2014年12月までに完成する予定という。列車が停車しない位置では、線路への転落を防止する柵が設けられるため、10両編成の列車の停車には対応しない。同様の手法による混雑対策は、つくばエクスプレスの南流山でも行なわれている(2011年1月発表、2012年9月完成)。
北朝霞は、東武東上線の朝霞台との乗換駅であるため、もともと乗降客が多い上、ホームへのエスカレーター設置により、降車客のホーム上での滞留に拍車がかかっていた。2012年6月19日には、朝ラッシュ時に利用客が貨物列車に接触する死亡事故が起きている。埼玉新聞の報道によれば、同駅の混雑対策としてはこれまで、上下線の列車の発着時刻をずらすなどの措置をとってきたという。
混雑防止のため増発できず? 駅施設の容量不足が生む悪循環
ホームが延伸されながらも柵が設けられることから、武蔵野線の電車の10両編成化や、ほかの線区からの10両編成の乗り入れが当分、予定されていないことがわかる。これには、北朝霞での混雑防止のため、この区間で増発や増結ができないという旅客流動上の制約とともに、北朝霞と同様に私鉄との乗換駅である新秋津で、ホーム延伸が当分できないという事情も影響しているとみられる。
新秋津では、西武池袋線の秋津との乗り換えの利便性が課題となっている。2002年には、「公共交通活性化総合プログラム」として、国土交通省関東運輸局、地元自治体(1都1県および3市)、地元商店会、JR東日本、西武鉄道、地元警察署による検討委員会が立ち上げられたが、現在は解散、商店会と鉄道事業者を除いた公的機関のみによる連絡会議が年1回の頻度で継続されている。両駅は、東村山市、清瀬市、所沢市の境にあり、新秋津は東村山市秋津町にあるものの、西武池袋線の秋津は北側の一部が所沢市、東側の約半分が清瀬市にまたがっている。東村山市側にある商店会が連絡通路の設置に反対してきた経緯などから、合意形成が難航している。仮に連絡通路(約180m)が設置される場合、ホーム北側にある跨線道を越えた位置に階段を設けるため、ホームが10両編成相当の長さに延伸されると見込まれる。連絡通路の有無でホーム構造物の設計が大きく左右されるため、結論が出ないうちはホーム延伸に着手できないことになる。
リンク
・報道
→ 日本経済新聞 「北朝霞駅ホーム延伸 JR東、年内完成目指す」(2014/4/26)
→ 埼玉新聞 「北朝霞駅のホーム延伸、通勤通学時の混雑緩和へ 12月の完成目指す」(2014/5/23)
・個人
→ 個人のブログ
「2014年2月10日JR武蔵野線北朝霞駅ホーム延伸工事調査」(2014/2/26)
・参考
→ 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス) 「3編成18両の車両増強と南流山駅ホーム改良計画について」(2011/1/11)
→ 流山市 「TX南流山駅のホーム延伸工事が完成」(2012/9/24)
→ 国土交通省関東運輸局 「第3回取り組み案件」(2004/5)
→ 所沢市 平成23年度事務事業評価表 「秋津・新秋津駅乗換利便性向上検討事業」(2011)
→ 埼玉県
県政サポーター 第35回簡易アンケート「鉄道駅のホームドア設置について」の結果を公表しました。 「質問9 ホームドアの設置について、ご意見、ご要望などありましたら自由にお書き下さい。」(2012/9/19)
県議会 平成24年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 「ホームドアなどを含めた安全対策について」(2012/10/19)
→ 朝霞市 「平成20年度 市への意見・要望 集計結果報告書」(2009)
関連ページ
・ 導入済み線区
→ 武蔵野線
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→ 【公共交通活性化総合プログラム】 西武・JR直通運転を検討
→ 【ダイヤ改正】 武蔵野線、大宮発着の「むさしの号」「しもうさ号」運転開始
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