2001/4/17(火) 更新

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出発時機表示器

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番線ごとに2個以上

 出発時機表示器は、ATOS導入線区の各駅で、番線ごとに設置されている。一般的な島式ホームなら、上下線それぞれ運転士用・車掌用が1つずつ、計4個あるのが基本だ。ラッシュ時に駅員がホームに立つ駅では、駅員が立つ位置(ホーム事務室付近)にも設置される。また、快速と特急など両数の異なる列車が停まるホームでは、それぞれの停車位置に合わせて設置される。その結果、多い駅では1つのホームに出発時機表示器が6個以上ある場合もある。

大別すると設置形態は3種類

 運転士用のものは必ず進行方向左側に設置される。これは、他の信号機や標識と同様、左側通行の原則による。(運転台も左側なので、左側に信号機がないと見にくい。)対して、車掌や駅員のためのものはホーム内側に設置される。車掌が見ているのはホーム側であるし、駅員はもちろんホームに立っているからだ。このようなことから、同じ出発時機表示器でも駅に合わせていろいろな設置方法が生まれることになる。ここでは、それらを大きく3種類に分けてみた。

天井吊下げ型

 ほとんどの駅で見られるのが、「天井吊下げ型」だ。

 配線を兼ねたパイプと補強用のワイヤーで、出発時機表示器が天井から吊られている。ケーブルは上部へ引き出され、ホーム屋根に沿ったケーブル敷設用ラックに至る。



(西船橋駅、2000/5 撮影)

地上型

 ホームの長さに余裕がない駅や、ホーム屋根の短い駅では、運転士用の出発時機表示器が線路際に設置されることもある。

 必要なスペースは側溝の蓋程度で、地面や側溝の上に金属製のベースが固定される。ベースの上に鋼管が垂直に立てられ、鋼管の上に出発時機表示器が載せられる。鋼管の部分がコンクリート製のものもある。

 また、信号機のような「はしご」がつけられているものも多い。ケーブルはホームの端に引き出され、ケーブル敷設用ラックまで上がる。



(左:西千葉駅、2000/2 撮影/右:津田沼駅、1999/5 撮影)



(幕張駅、2000/5 撮影)

構造物取り付け型

 最も融通が利くのが、「構造物取り付け型」である。駅にある構造物、つまり、高架の防音壁やホームの柱、電柱など、既存のあらゆるものを出発時機表示器の設置に利用できるので、多くの駅で採用されている設置方法だ。

 出発時機表示器を、構造物に取り付けられた断面がL字型の鋼材の先端にぶら下げられる。高架区間にある島式ホームの駅で、高架橋側に設置する場合(運転士用)、線路上に余裕の無い場合でも、比較的簡単に設置できる。

 また、適当な場所に構造物が無い場合は、出発時機表示器のために新しく支柱を立てる場合もある。主に、始発駅や中線のある駅が中心だが、同じ方向を向いた出発時機表示器を2つ設置する場合に有効だ。T字型の支柱の両腕に出発時機表示器がぶら下がる形になる。

 ホーム上に取り付ける余裕が無い、または駅員用に狭いところに設置する場合、ホームの屋根を支える梁と電光掲示板の間といった極めて狭いスペースにも設置されることがある。

 設置場所がホーム上でない場合は、ケーブルは線路下を通してホームの端に引き出している。そしてホームの柱をつたって、屋根に沿ったケーブル敷設用ラックに上がる。



ホームの柱に取り付けられたようす
(西船橋駅、1999/5 撮影)



専用の支柱に取り付けられたようす
(千葉駅、2000/2 撮影)



狭いスペースになんとか取り付けられたようす
(大宮駅、2000/3 撮影)

ケーブル敷設用ラックを伝い事務室へ

 ホームの端から端まで、ホーム屋根近くの高いところにアルミ製のケーブル敷設用ラックが設置されており、そこに各種のケーブルが通してある。放送のスピーカーにつながっているケーブルもあり、発車ベルのボタンにつながっているケーブルもあり、電光掲示板につながるケーブルもあり、その中に出発時機表示器につながるケーブルもある。ATOSで制御される機器につながるケーブルは事務室に引き込まれ、ATOSの駅用ワークステーションにつながっているようだ。


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