東京圏輸送管理システム(ATOS)が最初に導入されたのは中央線でした。その後、対象線区が順次拡大され、首都圏の主要な路線を一つのシステムでカバー、さらに拡大を続けています。ここでは、そんな「広がるATOS」の現状と将来を見ていきましょう。
ATOSはどのようにして導入されるのか、現在までに導入済みの各線区を例にご紹介します。
→ 電子連動装置の導入
→ 自動放送装置の更新
→ 出発時機表示器の設置
→ 電光掲示板の設置
→ 試験
→ 使用開始
これまでのATOS導入の経過を年表や一覧表でご紹介します。
→ 主な動き
→ 第1期導入線区(駅別)
→ 第2期導入線区(駅別)
2005年8月現在でATOSの導入が完了している線区とその現状をご紹介します。
→ 中央線(快速)・中央本線
→ 中央線(各駅停車)
→ 山手線
→ 京浜東北・根岸線
→ 総武線(各駅停車)
→ 総武線(快速)
→ 横須賀線
→ 東海道線
→ 東海道貨物線
→ 常磐線(各駅停車)
→ 常磐線(快速)
→ 東北貨物線
→ 高崎線
→ 埼京・川越線
→ 山手貨物線
→ 宇都宮線(東北線)
→ 南武線
→ 武蔵野線
今後、ATOSの導入が予定されている線区とその現状をご紹介します。
→ 青梅線・五日市線
→ 横浜線
→ 京葉線
・ 導入が予定されていない線区
下記の線区では、PRC(Programed Route Control/自動進路制御装置)が導入されています。ATOSの導入にはPRCの整備を進めるという側面がありますので、これらの線区でのATOS導入はないでしょう(※1、※2)。
※1 既設PRCの更新時期(導入後15年程度)に、PRCからATOSへ切り換えられる予定となるケースが出てきています。
※2 これまで概ね5年ごとに、導入対象線区が拡大されてきています。規模の小さな線区については、既設の線区別ホストを更新・増強の上、共用する形での導入としていくものとみられます。
埼京線 ※2001年4月に導入予定が公表され、2005年7月に導入が完了しています。
京葉線 ※2010年10月、将来の導入予定が公表されました。
武蔵野線 ※2006年5月に導入予定が公表され、2012年1月に導入が完了しています。
青梅・五日市線 ※2010年10月、将来の導入予定が公表されました。
相模線
八高線(八王子−高麗川間)
伊東線 ※来宮では、2006年秋ごろ、PRCが更新されています。
外房線 ※蘇我では、2004年ごろ、電子連動化されたとみられます。
内房線(君津以南) ※2006年9月、PRCが更新されています。
総武線(千葉−銚子間) ※千葉支社ビルが移転しています。
成田線
鹿島線
八高線(高麗川以北)
宇都宮線(黒磯以北)
日光線
常磐線(羽鳥以北)
水戸線
両毛線
※ただし、京葉線・武蔵野線については需要の高まり等により既存のPRCでは性能が不足する可能性もあります。その際にどうなるかは未知数です。
下記の線区では、CTC(Central Trafic Control/列車集中制御装置)が導入されています。将来的にはPRCの整備が必要になるかも知れませんが、ATOSの導入は予定されていない模様です。
横浜線 ※2010年10月、将来の導入予定が公表されました。
横須賀線(大船−久里浜間) ※2006年5月に導入予定が公表され、2009年10月に導入が完了しています。
下記の線区ではCTCもPRCも導入されておらず、今後何らかの形で自動化される可能性があります。ただし、規模等東京からの距離や運行形態など(※3)から、ATOS導入の対象になる可能性は低いと思われます。
※3 当面は、大規模な留置線のある駅など、現地で信号扱いを行なう「扱い者」を配置するほうが合理的であるケースなどで、当該駅を中心とした制御が残る模様です。
内房線(千葉−君津間) ※2006年9月、浜野−君津間でPRCが導入されました。
高崎線(神保原以北)
※なお、線区としてATOSが導入されなくても、電子連動装置の導入により旅客案内がATOS線区と同様のものになる場合があります(木更津、蘇我、仙台など)。
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