→ 中央線(快速)
初めてのATOS導入線区
中央線(快速)では、東京−甲府間を対象にATOSが導入されている。出発時機表示器の設置は高尾までとなっている。ATOSの導入は中央線(各駅停車)と同時に進められた。両線はATOS導入の1号線区である。
最初の導入ということもあり、導入には比較的長い期間が費やされた。まず、1995年10月までに各駅の装置が単独で使用開始になり、1996年12月14日に線区別中央装置が試験的に使用開始になった。3ヶ月後の1997年3月21日が、正式な使用開始日である。
ほぼ全駅に電光掲示板
ATOS導入とともに、無人駅など一部を除き、ほぼすべての駅で電光掲示板が設置された。従来の電光掲示板とは異なり、ダイヤが乱れていても変更されたダイヤに基づいて正確な案内が表示される。大半の駅では、上りホームに1行タイプ、下りホームに2行タイプの電光掲示板が設置されている。どちらも、多様な種別の列車を案内するため、表示桁数が多めのものになっている。それでも、「中央特快」などの4文字の種別は全角3文字分に縮められて表示されている。
中央線以降のATOS導入線区と比較して、中央線では電光掲示板の表示書き換えがスムーズに行なわれないようだ。電車の発車後、電光掲示板の表示はすぐに1行繰り上がる。しかし、1行目が消えて2行目が繰り上がった後、2行目に次の電車の案内が表示されるまで、数秒の「間」がある。 |
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東京では大型の電光掲示板が設置されている。このような一体型のものは、桜木町、戸塚などでも見ることができる。 |
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(東京駅、2000/4 撮影) |
東京近郊区間の外では
高尾−甲府間では、主に改札口やコンコースに電光掲示板が設置されている。停車駅スクロール、運行情報も表示される。 |
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(石和温泉駅、2004/5 撮影) |
石和温泉では駅名連呼と次発放送が使用されているが、次発放送で案内される列車は特急のみに限定されている。つまり、特急の前に普通列車が来る場合でも特急の次発放送が流れる。自由席・指定席、禁煙車・グリーン車の案内も省略されていない。 |
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導入当初、放送は継ぎ接ぎ
今でも先行導入の駅や一部の駅では聞けるが、導入当初のATOSによる放送は継ぎ接ぎが著しかった。日本語の文法上からも不自然な部分で区切られているのである。「○○/行きが」はその筆頭で、従来の「まもなく○番線に上り電車がまいります。白線の…」といった自然な放送に慣れていた利用客の中には違和感を覚える人も多かった。1999年に入ってから「○○行きが」という新しい音声が作られ、各駅で順次切り替えられてきた。それでも不自然さが多少残るが、だいぶ改善されたといえる。
参考/運用開始のスケジュール
〜1995/10 東京−甲府間 電光掲示板と放送 使用開始
(以上、スタンドアローン)
1996/12/14 線区別中央装置 試験的に使用開始
1997/ 3/21 線区別中央装置 使用開始
関連ページ
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