2016/9/25(日) 更新

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 → 東京−千葉みなと間でATOS使用開始(2016年9月)

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東京−蘇我間の全線で導入

 京葉線では、東京−蘇我間の全線でATOSの導入が予定されている。京葉線ではCTCおよびPRCが導入済みで、大半の駅で、既に電光掲示板が整備され、PRCに連動した詳細な旅客案内が行なわれている。

 なお、京葉線と関連の深い内房線、外房線などについても、このページで説明する。りんかい線については、内容により、このページもしくは埼京・川越線のページで説明する。

 京葉線へのATOS導入は当初、計画されていなかったが、2010年9月、ATOS(東京圏輸送管理システム)の導入対象線区が拡大され、京葉線にも導入される予定となったことが明らかになった。ATOSの導入対象線区が拡大されるのは、2001年の埼京・川越線、2006年の横須賀線(大船−久里浜間)、武蔵野線に続き、3回目である。

 蘇我駅では2016年7月24日、東京−千葉みなと間では2016年9月25日にATOS(自律分散型列車運行管理システム)が使用開始になったとみられる。なお、蘇我駅では京葉臨海鉄道との貨物列車の授受が行われている。蘇我駅の駅装置は、京葉線側でなく、総武快速線・内房線(幕張−木更津間)側の通信装置を用いて運用されているのではないかと推定される。

フォーラム
 → 東京−千葉みなと間でATOS使用開始(2016年9月)
 → 大同信号「総武快速TID装置(SN95)」(2004年2月)

 運行管理システムがATOS(自律分散型列車運行管理システム)になっても指令が東京に一元化されなかった線区としては、高崎線が知られている。高崎線では、上越線に直通する貨物列車が多数、運行されている。上越線では2006年度以降にPRCが導入されている。高崎駅や新前橋駅を後回しとしながら前後の区間でATOSもしくはPRCの導入が進められるという構図は、蘇我駅、千葉駅の周辺とよく似ているといえる。


2014/9/16(火) 新設

ネットワーク信号制御システム
2016年12月までに全線で導入

 京葉線では、全線を対象にネットワーク信号制御システムの導入が進められている。新習志野では、2013年7月に導入された。東京、海浜幕張、新港信号場、千葉みなとでも既に工事が開始されており、2016年12月の完成が予定されている。

 ネットワーク信号制御システムは、信号制御の光ネットワーク化により、信号ケーブルの大幅な削減を図るものである。2004年、開発に着手、土浦でのモニターラン試験(2005年4月)を経て、市川大野に導入(2007年2月)されている。必要となる機能を順次、開発しながらの導入となっており、これまで段階的に構築されてきたATOS導入の経験が活かされている。

 京葉線では、2004年10月、貨物列車の増発(新金線・総武線経由から武蔵野線・京葉線経由への変更)に備え、CTCおよびPRCが更新され、ダイヤ回復支援機能を備えたPRCが導入されている。これは、ATOSには盛り込まれていなかった最新の機能である。今後、ATOSの導入も予定されているが、PRCからATOSへの切り換えは、ネットワーク信号制御システムの導入完了後になるものとみられる。PRCの更新時期は導入後15年程度とされていることから、遅くとも2019年には京葉線にATOSが導入されることになる。

 その結果、京葉線では、ほかの線区に先がけて次世代型の運行管理システムが実現することになる。京葉線での実運用を通して得られた知見をもとに、運行管理システムにおけるダイヤ回復支援機能や、ネットワーク信号制御システムが、ほかの線区へも展開されることが期待される。

 なお、埼京線では2013年から2018年にかけてATACSが導入される予定である。常磐線(各駅停車)では、2020年ごろをめどにCBTCが導入される可能性がある。これらとあわせ、2020年代には、これまでにない鉄道システムが実現することが期待される。

全線で出発時機表示器設置か

 京葉線では、東京−蘇我間の全線が東京50km圏(営業キロで43.0km)に含まれるため、全線で出発時機表示器が設置されるものとみられる。

 一方、京葉線では205系車両などのE233系車両への置き換えが完了している。新型車両では、デジタル列車無線のデータ通信および運転台のモニタを活用した、通告伝達システムが使用可能となっている。通告伝達システムでは、在線位置にかかわらずいつでも伝達が可能で、乗務員による受領確認が行なえるなど、出発時機表示器に対する優位性がある。

 特に、京葉線とともにATOS導入の対象となった青梅線では、4両、6両、10両の停止位置にあわせて、多数の出発時機表示器を設置する必要が生じる。このため、今後も出発時機表示器が設置され続けるかは不透明な状況にある。京葉線より先にATOSが導入される線区での動向が注目される。

内房線にPRC導入
(千葉、蘇我を除く)

 京葉線と関連の深い内房線では、2006年9月、浜野−館山間でPRCが導入されている。これに先立ち、2001年2月に木更津で電子連動化が完了、蘇我では2004年に電子連動化が完了しているとみられる。2010年ごろ、非連動駅(構内にポイントのない駅)を含む各駅で、ホームおよび改札口に電光掲示板が整備されている。千葉および蘇我では、運転系統が複雑であるためか、駅での制御となっており、線区全体でのシステム化には至っていない。検討されているとされる、千葉以東と東京を直通する列車の増発(「東西軸」での「直通サービスの強化」)に際しては、千葉および蘇我がボトルネックとなる恐れがある。

 千葉では、2016年夏ごろの完成予定で駅舎の建て替えが進められている。これに先立ち、2012年9月、新しい千葉支社ビルが駅北側に完成した。駅南側にあった千葉支社ビル内に設置されているCTCセンターの機能が、新しいビルに順次、移設されるものとみられている。駅舎建て替えの関連工事は2018年春まで続く予定である。

 千葉では、2012年7月までにホームの電光掲示板が置き換えられているが、設置形態(番線ごとに1台ではなく、ホームごとに1台)および表示内容が従来のままであった。このため、この時点では上位システムに変更はなかったものとみられる。現状では、ホームの電光掲示板が現在の標準的な設置形態(ホームごとに1台ではなく、番線ごとに1台)になっておらず、運転系統に応じた方面表記が一切ない。階段やホーム上屋の工事にあわせ、さらに移設や増設が行なわれるものとみられる。一方、2013年8月までには、新宿、吉祥寺などで設置されているものと同型のフルカラー表示に対応する電光掲示板がコンコースに新設されている。


関連ページ

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導入済み線区
 → 総武線(快速)
 → 埼京・川越線
 → 武蔵野線

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ニュース
 → 【内房線】 木更津でATOS放送
 → 【東京圏システム化】 内房線にPRC導入へ
 → 【ATOS拡大】 青梅線・五日市線、横浜線、京葉線に導入へ
 → 【ネットワーク信号制御システム】 京葉線全線に導入、2016年12月予定
 → 【羽田空港アクセス線】 休止中の貨物線を活用、羽田空港乗り入れを検討

トピックス
 → 蘇我駅の電光掲示板交換とその背景

フォーラム
 → 東京−千葉みなと間でATOS使用開始(2016年9月)
 → 大同信号「総武快速TID装置(SN95)」(2004年2月)
 → 【ネットワーク信号制御システム】「京葉線で使用開始」との報道(2016年7月)

 → 「電車特定区間」外の蘇我駅まで直通する「京葉快速」の『謎』
 → 【外房線・東金線】「電車特急」を実現したCTC / どうなる大網駅
 → 合理化された京葉線の駅業務 / 「地下線」の管轄を探る
 → 蘇我駅と本千葉駅
 → 幕張新都心拡大地区(豊砂地区)「新駅予定」を追う




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