2014/9/16(火) 更新 |
・ ATOS導入の流れ
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・ 導入済み線区→ 宇都宮線(東北線)上野−那須塩原間に導入済み
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2004年2月、常磐線へのATOS導入時、上野では常磐線の列車が入線するホームへの出発時機表示器の設置のみが行われた。ATOS連動の旅客案内は、宇都宮線(東北線)・高崎線でのATOS導入にあわせ、2005年1月に使用開始になったという経緯がある。上野の列車ホームの進路制御を線区ごとに切り分けることができず、導入までの工程が非常に多くなっていたことがうかがわれる。 |
(上野駅、2005/7 撮影) |
2014年8月現在、電光掲示板の置き換えは行なわれていないが、ホームの全面的な改修工事が行われている。現状の1行タイプの電光掲示板のまま「上野東京ライン」の列車が運行されることは考えにくいことから、2015年3月と見込まれる運行開始までに、少なくとも高架ホームでは置き換えられる可能性が高い。 |
なお、「東北縦貫線」として2008年5月に着工した東京−上野間の線路では、2014年7月29日から試運転が開始された。2014年2月には既に、新設された信号機の一部が稼働している。「上野東京ライン」の列車に対応するものとみられる出発時機表示器も、2014年3月までには設置が完了しており、営業運転は行われていないものの既に使用が開始されているとみられる。2014年8月1日からは、乗務員の習熟を目的とした試運転が、営業列車並みのダイヤで連日行われている。
宇都宮線(東北線)・高崎線の上野行き列車について、上野での到着番線を表示している駅がある。到着ホームによって、山手線などへの乗り換えにかかる時間が大きく増減するため、要望があってもおかしくない。
さいたま新都心では開業当初、コンコースおよび改札口の電光掲示板では番線の表記がなく、LED表示によってのりばを案内していた。しかし、凡例がないため、何の数字であるかがわかりにくい状態だった。このため、後に、電光掲示板の余白部分に「番線」と付記されたとみられる(※1)。 |
(さいたま新都心駅、2014/7 撮影) |
すると、LED表示による行先としての「上野」、当駅での発車番線(のりば)としての「3」に、「番線」という文字が続くことになり、当該の列車が「上野3番線」に到着するかのような曖昧さが生じることとなる。
LEDにより「上野到着15」「UENO arr15」と表示することで「上野到着15番線」と読ませる(※2)ことにより、新たな情報を追加するとともに曖昧さを解消しようとしたものとみられる。ホームの電光掲示板にも「番線」と付記されている。 ところが、コンコースおよび改札口の電光掲示板では、LED表示による発車番線の表示が残されており、「(当駅での発車)番線」と「(終点での到着)番線」という2つの「番線」が交互に表示されている。 |
さらに、コンコースおよび改札口の電光掲示板では「3」という番線表記が追加されている。LED表示によるのりばの案内と重複するばかりでなく、のりばの案内は本来、階段付近に設置された誘導サイン(全面が路線カラーになっている内照型の固定サイン)が担う役割である。サインシステム(案内・誘導の体系)は、個々のサインの役割を明確にし情報を簡潔にすることで成り立つが、このケースでは、それが破たんしているといえる。
※1 通常、凡例としてはLED表示面の上部余白に「のりば」と表記される。
※2 様式が大きく異なる固定サインと可変サインを一体の情報として視認することは負荷が高いと考えられる。
宇都宮線(東北線)の各駅では、ホームや改札口に電光掲示板が新設された。 注目したいのは、その大きさである。文字が表示されていないためわかりにくいが、14字(下り)/16字(上り)×2行のマトリックスになっている。東海道線や常磐線で設置されたタイプと同程度である。 |
(土呂駅、2004/12 撮影) |
違うのは高さと厚みで、東海道線や常磐線のタイプは薄い代わりに高さがある。今回、宇都宮線(東北線)で設置されているタイプでは高さが抑えられているため、ホーム屋根の低い駅でも問題なく設置できるようである。 土呂でも、ホームの屋根はあまり高くない。電光掲示板の高さがなるべく高くなるようにするためか、ホームの梁より上の部分から吊り下げられている。 |
結果として、他のATOS導入済み線区で多く見られる薄型の電光掲示板が設置されているのは、宇都宮線(東北線)では赤羽・さいたま新都心・大宮だけに留まっている。
宇都宮線(東北線)では、高崎線や山手貨物線等と同様、新型の出発時機表示器が設置されている。変更点としては、表示部中央の区切りがなくなったことが目立つ。また、背面のプレートでは型番の末尾が「003A」に変わっている。 当然のことながら、内部的にはどのような変更点があるのか、もしくはないのかは、まだ使用されていないため確認できない。 |
(土呂駅、2004/12 撮影) |
出発時機表示器の設置は、運転形態や配線などから、上野−小金井間にとどまるものとみられる。
浦和・さいたま新都心では、線区全体でのATOS導入に先駆けて、自動放送と電光掲示板がATOSに連動していた。 また、大宮では自動放送のみATOSに連動していたものと思われるが、行き先などの詳しい案内は省略されていた。 |
(さいたま新都心駅、2000/4 撮影) |
さいたま新都心と大宮では、新型の電光掲示板が設置されている。 浦和では、電光掲示板に「列車がまいります」の点滅表示が見られる一方、ローマ字表示が一切なく、自動放送も従来型という状況だったが、2004年10月に電光掲示板が交換され、自動放送を含め一足先に使用開始となった。 |
参考/放送設備更新のスケジュール
2000/ 1/22 東大宮
2000/ 2/18 自治医大
2000/ 2/10 石橋
2000/ 9/19 岡本・氏家
2000/ 9/22 宝積寺
2000/12/10 栗橋
2001/ 1/24 浦和
2002/ 3/10 蓮田
2004/ 3/19 古河参考/出発時機表示器設置のスケジュール
2003/ 7/22 上野(一部・常磐線用として?)
2003/12/24 赤羽
2003/12/25 尾久
2004/ 2/13 古河
2004/ 4/ 8 栗橋
2004/ 4/17 蓮田
2004/ 4/22 白岡
2004/ 4/23 東大宮・久喜・栗橋
2004/ 4/27 東鷲宮
〜2004/ 5/ 2 土呂
2004/ 5/22 浦和・さいたま新都心
2004/ 6/ 7 新白岡
2004/ 7/ 8 野木
2004/ 7/12 間々田
2004/ 7/14 小山
2004/ 7/15 大宮
2004/ 7/27 小金井参考/運用開始のスケジュール
2000/ 4/ 1 さいたま新都心 電光掲示板と放送 使用開始
2004/10/15 浦和 電光掲示板と放送 使用開始
(以上、スタンドアローン)
2004/12/19 線区別中央装置 使用開始
(出発時機表示器も使用開始)
2004/12/20 土呂・東大宮・蓮田 電光掲示板と放送 使用開始
2004/12/21 尾久・大宮 電光掲示板と放送 使用開始
2004/12/22 赤羽 電光掲示板と放送 使用開始
2005/ 1/ 6 白岡・新白岡・久喜 電光掲示板と放送 使用開始
2005/ 1/12 上野 電光掲示板と放送 使用開始
2005/ 1/13 東鷲宮・栗橋・古河 電光掲示板と放送 使用開始
関連ページ
・ 導入済み線区
→ 東北貨物線
→ 高崎線
・ トピックス
→ 新駅「さいたま新都心」の旅客案内
・ フォーラム
→ 青函トンネルと歩調合わせた東北本線(白河−青森間)のCTC化(1976年8月〜1984年12月)
→ 【東京総合指令室】JR貨物と密接に連携、貨客をさばく
→ 貨物線のいま/北海道新幹線と黒磯駅(2015年12月)
→ 黒磯駅の直流化・電子連動化でATOS延伸か
→ 宇都宮駅で「アーラン分布」(1980年7月)
→ 宇都宮駅で発車標に「ACCUM」の表示(2015年12月)