→ 山手線
中央線に続き導入
山手線では、1998年8月までにATOSの導入が完了した。大崎−新宿−東京−大崎の全線が対象で、田端−田町間で並走する京浜東北・根岸線と同時に導入が進められた。
山手線でのATOS導入にあたっては、中央線のホストを止めることなくATOSを他の線区に拡大するという実験的要素もあった。実際には、山手線のホストと中央線のホストを接続する際に中央線のホストが停止、ダイヤのデータが消失して大混乱が起きたという。(朝日新聞ほか)
環状運転ならではの案内
山手線の案内では、これまで「内回り」「外回り」という表現が主に使われてきた。しかし、これらの表現では目的地の駅名が自然に連想できず、「東京に行くにはどちらに乗れば良いのか」と戸惑う人が多かった。 |
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(鶯谷駅、2001/1 撮影) |
最近は、「○○/○○方面」という表現が主流になっている。「○○」には、東京・上野・池袋・新宿・渋谷・品川という6つの主要な駅名が入る。「内回り」「外回り」に比べ、より多くの人にとってわかりやすい表現であるといえる。
ATOSによる旅客案内でも、電光掲示板・自動放送ともに「○○/○○方面」となっている。 |
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電光掲示板や案内板の方面表記では、駅名が3つ程度並んでいる。一部の駅では「田端」や「巣鴨」といった駅名も見られる。しかし、電光掲示板の表示と自動放送では、最寄りの主要駅2つのみが案内されている。
大崎行きや池袋行きの場合は、他線区と同様の表示になる。 |
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融通の利く京浜東北線並走区間
田端−田町間は、本来は東海道本線と東北本線。そこに、山手線と京浜東北線の電車が乗り入れているというのが正確だ。そのため、この区間においては線路の使用もかなり融通が利くようになっている。
具体的には、この区間の山手線または京浜東北線の線路を電車が走れなくなった場合、もう一方の線路を走ることができる。これにより、田端−田町間の運転を確保できるだけでなく、山手線の西側や田端以北・田町以南の京浜東北線の運休も免れることができる。
右の写真は、京浜東北線リフレッシュ工事で京浜東北線の電車が山手線の線路を走っている例である。 |
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(鶯谷駅、2000/10 撮影) |
山手線の電光掲示板に、わざわざ「山手線」と表示されているのは、上のような使い方に備えているからであろう。
関連ページ
・ 導入済み線区
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