2004/11/7(日) 更新

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→ 電子連動装置の導入

縁の下で着々と進められる電子連動化

 ATOS導入の最大の目的は、首都圏の高密度線区をシステム化(自動化)することである。その要となるのが電子連動装置である。

 電子連動装置の導入は、なかなか公表されることもなく、利用客にとっては特に意識することのない部分でもある。一つだけ貴重な例外がある。東海道線でのATOS導入では、電子連動装置の導入が交通新聞で報道された。藤沢駅での導入が、ちょうど100号機だったため、珍しく記事になったようだ。この記事を手がかりにすると、遅くとも線区中央装置の使用開始の半年前までには電子連動装置の導入が完了しているものと見てよいだろう。また、導入時期が遅い線区でも、電子連動装置の導入だけは比較的早期から着々と進められている模様だ。それは、後述する「変化」が、幅広い線区で見られることから推察できることである。

 なお、構内に多数のホームや留置線、電車区を抱える極めて大規模な駅では、現在の電子連動装置では性能が不足するという。ATOSが導入された東海道線の中でも、品川駅では2006年9月をめどに電子連動化される予定になっている。



(品川駅、2001/8 撮影)

目に見える変化はあるのか

 電子連動装置の導入は、わかりにくい。ただ、まったくわからないわけでもなく、いくつかの「変化」から推測することもできる。

 一つは、使われていない線路が整理されること。首都圏の各線には、意外と古い線路が残っている場所がある。かつて貨物扱いのあった駅に残る引込み線の跡、保守区の合理化で使われなくなった保守車両用の線路など。このような場所では、余分なレールは撤去されても、ポイントはそのまま残されている場合がある。連動装置の改修が必要になるため、不用意に撤去できないのである。

 電子連動化に際し、このような過去の遺物が次々に整理される。必要なポイントだけを電子連動化するためである。常磐線では、土浦駅の1番線が撤去された。

 もう一つの「変化」は、意外だがポイントのない駅で見られる。

 比較的最近設置された駅を除き、ほとんどの駅では出発信号機と場内信号機が設けられていた。閉塞信号機はあくまで駅間に設置されるものだったからである。しかし、ポイントのない駅の出発信号機や場内信号機は、実質的には閉塞信号機と同じ働きしかしていない。

 ATOS導入とともに、これらの信号機は次々に閉塞信号機へと置き換えられている。これは、駅で信号機の標識を観察していればわかる。



(新橋駅、2001/8 撮影)

 また、このことの副産物として、かなり長い距離にわたって閉塞信号機ばかりが続く区間が生まれることもある。都心部に折り返し駅の少ないことで知られる総武線(各駅停車)では、例えば「第22閉塞」(手前の換呼位置には「22」の標識がある)といった大きな数字の閉塞信号機が見られるようになった。

 余談だが、出発信号機のある駅では、列車の前方にある出発信号機を直接視認できない車掌のために、「出発反応標識(レピーター)」が設けられている。出発信号機の閉塞信号機化により、これが「閉塞レピーター」と呼ばれるようになり、「閉」という標識が取り付けられるのも、「変化」の一つである。


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